将来へつながる1年に 新春 河野知事に聞く

国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の本県開催などが控える今年を「チャンス」と捉える河野知事=県庁知事室

 全国的には東京五輪・パラリンピック、本県では一大イベントとして国民文化祭(国文祭)、全国障害者芸術・文化祭(芸文祭)が開催される2020年。「本県の伸びしろを埋めるチャンス。積極的に攻めていくべきタイミング」と捉える河野知事に1年の展望を聞いた。
 ―いよいよ国文祭・芸文祭(10~12月)を迎える。
 本県の文化的な資源を県民として見詰め直し、磨き、発信するプロセスにしたい。神話を一つの中心テーマとし、食文化なども取り上げていく。本県は宝の山で本当にいいものがあるが、観光などの経済効果に結び付けることが十分できていない。この伸びしろを埋める機会とし、文化という視点から本県を活性化する節目の年にしていく。
 ―五輪イヤーに外国人旅行者をどう誘客するか。本県が遅れている分野だ。
 日本に注目が集まる中で、ドイツの陸上、カナダと英国のトライアスロンの合宿を受け入れる。合宿を通じた情報発信に加え、東京のアンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」を拠点とした情報発信に努める。今は東アジアからの誘客が中心だが、より経済効果の大きい欧米豪を増やすことが重要な課題。しっかり知恵を出していく。
 ―口蹄疫発生から10年の節目をどう迎えるか。
 口蹄疫は畜産、農業だけでなく地域経済、社会がいろいろなダメージを受けた。国内外で家畜伝染病が猛威を振るう中で、畜産県として使命感を持って防疫の徹底を県民の理解と協力の下に進めていく。全国的にウイルスを入れないことも大事で、口蹄疫を経験した本県だからこそ全国に向けてアピールする役割を果たしたい。
 ―20年度当初予算編成にどう臨むか。
 本県は今、積極的に攻める時期。国が防災・減災、国土強靱(きょうじん)化を進める中で、インフラ整備の遅れを取り戻し、それを地域の活力につなげられる好機。また、スポーツや文化における魅力を発信し、それを将来に結び付けられるタイミングでもある。前向きにいろいろと将来に向けての投資をしていくべきだ。(県庁知事室で)

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