プレミアリーグ「この10年で最悪の補強」ワースト10

ついに2020年を迎えたプレミアリーグ。世界で最も経済的に優れたコンペティションとして成長を続けており、これまで多くの「大型補強」が行なわれてきた。

『Daily Mail』はこの10年のプレミアリーグで「最も当たらなかった補強ランキング」を掲載しており、そのワースト10をご紹介する。

10位:アルバロ・モラタ(チェルシー)

移籍金:6000万ポンド(およそ87.3億円)

レアル・マドリーやユヴェントスで活躍を見せたストライカーは、6000万ポンドという高額な移籍金が支払われたこともあり、大きなプレッシャーを受けてプレミアリーグにやってきた。

しかしコミュニティシールドではペナルティキックを外してしまい、シーズンを通して細かい怪我にも苦しめられ、結局1年半しかイングランドでプレーすることはできなかった。

彼女のアリス・カンペッロとロンドンでのライフスタイルを楽しむ方を優先しているかのようだった彼は、昨年1月にアトレティコ・マドリーへと貸し出され、そのまま完全移籍した。

9位:アンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ(フラム)

移籍金:3000万ポンド(およそ43.7億円)

一昨年の夏、2部からプレミアリーグに昇格することに成功したフラム。新しい挑戦に向けて多くの補強を行ったが、その中にザンボ・アンギサがいた。

マルセイユから3000万ポンドもの移籍金で加入したが、フランスのファンは「史上最高の売り物」「はは、お金をありがとう」と評価した。

やはりというべきか、彼はシーズンを通して非常に残念なパフォーマンスを見せ、2部に降格した今季もビジャレアルへと貸し出されることになった。

8位:メンフィス・デパイ(マンチェスター・ユナイテッド)

移籍金:2500万ポンド(およそ36.4億円)

オランダ代表のメンフィス・デパイは、ルイス・ファンハール監督に誘われてマンチェスター・ユナイテッドに加入。伝統の背番号7を要求したとき、その戦いは決して簡単なものではないことは分かっていた。

最初はその期待に応えるようなプレーをしていたが、それから急速に下り坂となった。その態度はファンハール監督に問題視され、毎月のように夜の写真を撮影され、毎日違った高級車で練習に現れた。ルート・フリットは「いいパフォーマンスも見せていないのに、新品のロールスロイスで練習に来るなんて」と苦言を呈した。

2017年に下したリヨンへ移籍する決断は、デパイにとってはまさに「自由を手に入れた」ものだったのだろう。今やフランスリーグ屈指のFWだ。

7位:アンディ・キャロル(リヴァプール)

移籍金:3500万ポンド(およそ50.9億円)

『Daily Mail』のインタビューで、キャロルは「リヴァプールへの移籍交渉は破談になって欲しかった」と話した。少年時代から愛したニューカッスルに残りたいという願望だった。

リヴァプールは彼を獲得するために3500万ポンドもの移籍金を支払ったが、同時期に加入したルイス・スアレスの影に隠れた。

多くの怪我に悩まされたキャロルはリヴァプールで44試合6ゴールという記録を残し、そのままウェストハムへと去っていった。

6位:ティエムエ・バカヨコ(チェルシー)

移籍金:4000万ポンド(およそ58.2億円)

ティエムエ・バカヨコは、ネマニャ・マティッチに続いて「チェルシーが最高額で獲得したMF」としては2位につけている。プレミアリーグを制覇したクラブは、彼をスタンフォード・ブリッジで試すために4000万ポンドを費やした。

しかし残念ながら、バカヨコのプレーはマティッチのレベルを彷彿とさせるものではなかった。

悲惨なデビューシーズンに耐えたバカヨコは2018-19シーズンにACミランへと貸し出されたが、イタリアでも苦戦。今季は古巣のモナコに戻っている。

5位:アンヘル・ディ・マリア(マンチェスター・ユナイテッド)

移籍金:5970万ポンド(およそ86.9億円)

2014年にレアル・マドリーからマンチェスター・ユナイテッドに移籍してきたアルゼンチン人のMFアンヘル・ディ・マリア。当時イングランドのクラブが支払った移籍金としては最高額記録を更新するものだった。

もちろん多くのサポーターが彼に大きな期待をかけたが、ピッチ上では印象的だったとは言い難いものだった。5年契約を結んだが、その結果ディ・マリアは1年でPSGへと去った。

スタートは本当に素晴らしかったが、その後パフォーマンスは低下し、守備面でも苦戦。公式戦32試合に出場しただけでイングランドを離れることに。

4位:ロベルト・ソルダード(トッテナム)

移籍金:2600万ポンド(およそ37.8億円)

2013年にトッテナムはギャレス・ベイルをレアル・マドリーに売却し、1億900万ポンドを手に入れた。後釜の1人としてバレンシアから獲得されたソルダードは、ゴール前での活躍が期待されたストライカーだった。

しかしスペインでのインパクトから比較すれば、プレミアリーグでのソルダードはまるで借りてきた猫のようだった。

初年度はアンドレ・ヴィラス・ボアス監督によって使われたものの、マウリシオ・ポチェッティーノ監督によってメンバーから外され、スペインへと戻ることになった。

3位:フェルナンド・トーレス(チェルシー)

移籍金:5000万ポンド(およそ72.8億円)

最近引退したフェルナンド・トーレスは、間違いなくプレミアリーグ史上最高クラスのストライカーだった。しかしそれはチェルシー時代のことではない。

リヴァプールのレジェンドになった彼はアンフィールドで大活躍したが、チェルシーに加入してから初めてのゴールを決めるまで4ヶ月を要し、数多くのチャンスを逃し続けた。

何の予備知識もなく見ればその記録は悪いものではないが、莫大な費用と膨らんだ期待を考えれば…。

2位:ジョジー・アルティドール(サンダーランド)

移籍金:600万ポンド(およそ8.7億円)

トロントFCで多くのゴールを量産しているアメリカ人FWアルティドールは、2013年から所属したサンダーランドでの時間を振り返って「なぜうまく行かなかったのか…」と話した。

彼はAZアルクマールから加入し、23歳と若く、大柄で、強く、スピードもあった。英語も母語であり、プレミアリーグで活躍できる典型的なFWだった。

しかし残念ながら彼は70試合の出場で2回しかゴールを決められなかった。わずか18ヶ月でカナダへと移籍し、戻ってくることはなかった。そしてMLSのレジェンドになり、成功したキャリアを歩んでいる。崩壊しかけているサンダーランドとは逆に…。

1位:アレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)

移籍金:ムヒタリャンとのトレード

アレクシス・サンチェスがマンチェスター・ユナイテッドのシャツを着て最高のパフォーマンスを発揮したのは、加入直後にSNSでピアノを弾いた時だった。

2016年にムヒタリャンとのトレードでユナイテッドへ加入した彼には、なんと週40万ポンド(およそ5820万円)というとてつもない給与が支払われた。タイトルを導いてくれる男だと考えられたが、ピッチ内でも「異質な男」になってしまった。

彼は結局今季インテルへ貸し出されることになったが、ユナイテッドはその高額な給与の大半を支払い続けている。

© 株式会社ファッションニュース通信社