『ドクター・スリープ』- 誇張しすぎたシャイニング

誇張しすぎたシャイニング

40年前に公開された傑作サイコホラー映画『シャイニング』の続編。『シャイニング』とは、ジャック・ニコルソンがすごい顔してるアレ。主人公は前作でジャックの息子だった少年ダニー。40年経ってすっかりおっさんになったダニーは、父親に殺されかけたトラウマとアルコールに溺れる日々。なんとか前を向いて生きていこうと知らない街で生活を始める。断酒も決意。そんな彼の周りで不可解な連続殺人事件が起きる。といった感じの映画『ドクター・スリープ』。序盤、無数のスプーンたちが天井に張り付いている驚愕のシーンで僕は笑ってしまった。歴史とテクニックに裏打ちされた重厚なホラー音楽と演出がフリになり、荒唐無稽なボケを繰り出されたと思った。そのシーンを皮切りに次々に打ち出されるなんじゃそりゃ的映像の数々。いや、確かに怖いよ。怖いんだけどさ。そっち行ったか。そっち膨らませたか。もしかしてふざけてるのか? それはいささか誇張しすぎではないか? 是非見てほしい。ともかくお婆ちゃんも双子ちゃんも元気そうでなにより!(LOFT HEAVEN:川口檸檬)

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