バレーボールのジャパネット杯第72回全日本高校選手権は5~7、11、12日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる。夏の南部九州インターハイ、秋の茨城国体に続く高校三大タイトルの最終ラウンド。男女各52校が熱戦を繰り広げる。長崎県勢は男子の大村工が10年連続17度目、女子の九州文化学園が2年連続32度目の大舞台に挑む。
■男子・大村工 組織力で4強目指す
南部九州インターハイ、主力を担った茨城国体ともに準々決勝で涙をのんだ。主将の松下は「センターコート(4強)を目指す。練習の中で力はついてきている。信じて一戦一戦やっていく」と自信をのぞかせる。
エース松下が攻守両面でチームを引っ張る。WS大塚は身長173センチと小柄ながら、機動力を生かして得点を重ねる。ユース日本代表候補入りしているMB金子の速攻や1人時間差、WS松本の強打も効果的だ。このコンビバレーを組み立てるのがセッター田中。高校選抜メンバーのセッター小森の存在も心強い。
チームの生命線はディフェンス。強化してきたレシーブに加え、金子やMB松崎が軸のブロックもさえてきた。1年生のMB村田の成長も心強い。リベロは徳永と大谷を併用。副主将の浦は「自分たちは全国的に見ると大きくない。組織力で粘って1点を取りにいく」と勝ち方を描く。
1回戦の相手は市尼崎(兵庫)。朝長監督は「試合中に自分たちで考えて話し合い、動けるようになってきた。先を見ずに一つ一つ勝っていきたい」と成長してきたチームに信頼を寄せている。
■女子・九州文化 得点をみんなで喜ぶ
今季は主力の故障などで大会のたびにスタメンが変わったが、全体のチーム力は上がってきた。11月の県予選は全5試合ストレート勝ち。井上監督は「九文らしくなってきた。らしい試合を一本一本していきたい」と集大成の舞台を見据える。
MBの稲葉、宮崎、OP山田の3人がサウスポー。足を使った的を絞らせないスパイクで相手を揺さぶり、得点を重ねていく。幅のある攻撃を自在に操るのがセッター川副。仲間がつないだボールに思いを込めてトスを上げる。
WS田中は乱れたトスも思い切って打ちきる度胸がある。ブロック、レシーブなど守備面の貢献度も大きい。1年生のWS岸川は攻守両面で安定感があるムードメーカー。リベロ永江が後ろから支える。パワフルなWS松崎、ブロックアウトが得意なWS中岡を起用する可能性も高い。
1回戦は土浦日大(茨城)と対戦。3回戦まで勝ち進めば、茨城国体で惜敗した南部九州インターハイ王者の就実(岡山)とぶつかる可能性がある。主将の川副は「一戦一戦上を目指して頑張る。得点をみんなで喜びたい」と一球入魂を誓う。