王貞治氏がイチロー氏を超え“偉大な野球選手”85位に 米メディア「ピート・ローズでさえ…」

現役時代は巨人で活躍した王貞治氏【写真:Getty Images】

イチロー氏は“偉大な野球選手”100位に選出

 一本足打法で数々の伝説を作ったソフトバンクの王貞治球団会長が米メディア「ジ・アスレチック」選ぶ“偉大な野球選手”85位に選出された。昨年に現役を引退したイチロー氏は100位に選出されており日本人から2人がトップ100に選ばれている。

 昨年12月から始まった「偉大な野球選手100人」。連日一人ずつを紹介し2020年のメジャーリーグ開幕日に最終日を迎える企画となっているが王貞治氏が堂々の選出となった。

 記事では巨人に入団した王氏と当時、打撃コーチを務め二人三脚で“一本足打法”を完成させた荒川博氏との出会い、合気道などを取り入れた練習方法などを言及し「アラカワがコーチになってからのオーの練習ぶりは、勤勉な日本人の労働論理のシンボルとなった。彼の練習のルーティンは、勤勉さが当たり前の日本においても伝説的となった」と紹介している。

 NPBで通算868本塁打をマークし、当時、ハンク・アーロンを超える756号の世界記録をマークした王氏に記事では「これらの成績について、どう解釈するべきか? それは、容易ではない。日本の野球界での数字と、アメリカの野球界での数字を比べるのは難しい」と、メジャーと日本の違いを指摘しているが、85位に選出した理由を3点挙げている。

厳しい味方をするピート・ローズでさえ「オーは打率.300ぐらいは確実に打っただだろう」

1. 過去20年間、イチロー、ヒデオ・ノモ、ヒデキ・マツイ、ユウ・ダルビッシュなど、我々は、多くの日本のプレーヤー達が、日本のリーグの時と同じように、素晴らしいレベルで、メジャーリーグでも活躍するのを見てきた。もちろん、完全に比較することは不可能だ。日本のリーグで活躍したスターが、アメリカで上手く行かない場合もあった。そして、オーが日本でプレーしたのは、彼らとは時代が異なっている。そうは言っても、野球は野球だ。ニグロリーグを学ぶことに多くの時間を費やし学んできた者として、他のリーグや、野球のスタイルなどが劣っているという人達を、私は信用できない。

2. 多くのアメリカのプレーヤー達が、オーはアメリカでも、スターになれると確信した発言をしている。以下がその数例だ。ドン・ベイラーは、「オーは、どこでも、どんな時代でも、(良い)プレーが出来ると思う」「ヤンキーススタジアムでプレーしたなら、彼のように引っ張れる左打者は、年間、40本ぐらい本塁を打てるだろうと確信している」と語った。日本の野球について、時に厳しい見方をするピート・ローズでさえ「オーは打率.300ぐらいは確実に打っただろう」と語っている。オーの素晴らしい才能は、アメリカの偉大なプレーヤー達にも、明らかなものであった。

3. 私にとって、最も、(オーが偉大なプレーヤーであることが)納得できる理由は、彼の日本での独占的なパフォーマンス(成績)だ。彼は日本のリーグでただのベストプレーヤーではなかった。他を大きく大きく引き離した、ベストプレーヤーだった。

 記事の中では2013年にヤクルト時代のバレンティンが記録を塗り替える60本塁打をマークしたことについても言及しており「日本の多くの人々にとっては、サダハルの55本というホームラン記録が、未だに、日本記録なのである」と、王氏がいかに国民的ヒーローであるかを伝えている。(Full-Count編集部)

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