南フランスの新年について。「ガレット・デ・ロワ」だけじゃない! 新年に欠かせない絶品スイーツとは?

1月6日のキリスト教の行事「エピファニー(公現祭)」には、おいしいスイーツが欠かせません。日本でもよく知られているフランスの「ガレット・デ・ロワ」は、そのひとつ。今回は南仏やスペイン、ポルトガルなどで広く親しまれている新年のスイーツをご紹介します。

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新年に食べるスイーツ

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サクサクのパイ生地にアーモンドクリームをたっぷり詰めて焼き上げた、フランス菓子「ガレット・デ・ロワ」。フランスの1月のお菓子として、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

英語では「King Cake(キングケーキ)」と呼ばれるこのスイーツ。1月6日のキリスト教の行事「エピファニー(公現祭)」にちなむもので、スペインやポルトガル、ベルギーやスイス、カナダのケベック州やアメリカのルイジアナ州、南米などでも広く食べられています。

イエス・キリストが神の子として現れたこと(=エピファニー)を祝うスイーツというのはどこも同じなのですが、この時に用意するスイーツが国や地域によって異なるんです!

というわけで、今回ご紹介するのは、フランス南西部のオクシタニー地域圏や南東部のプロヴァンス地方を中心とした南仏一帯、バルセロナを州都に置くスペインのカタルーニャ州、ポルトガルや南米などで食べられている新年のスイーツです。

バターと卵たっぷりの菓子パン

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フランス語では「ガトー・デ・ロワ(gâteau des rois)/ブリオッシュ・デ・ロワ(brioche des rois)」、オクシタニー語では「reiaume」、スペイン語では「rosca de reyes」、カタルーニャ語では「tortell de reis」、ポルトガル語では「bolo rei」と呼ばれる、西ヨーロッパの新年に欠かせないスイーツ。バターと卵たっぷりの菓子パンで、大きなリングの形をしています。

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南グランスでは、オレンジの香りがするリング状のパンにパールシュガーを飾ったものと、砂糖の代わりにドライフルーツをトッピングしたものが主流。

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カタルーニャ州やポルトガルでは、ブリオッシュの生地の中にマジパンいうアーモンドの甘いペーストを詰めて、ドライフルーツを飾ったものが主流のようです。

ほんのり甘く、軽やかな食感

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オレンジの香りが華やかに香るガトー・デ・ロワ。ブリオッシュのように甘く、ふんわりした口当たりです。新年のティータイムや食後に食べるスイーツですが、軽やかな食感は朝食にもぴったり。

アーモンドクリームたっぷりのガレット・デ・ロワとは全く異なる味わいなので、機会があればぜひ試していただきたいです。ふわふわした食感が好きな、我々日本人好みの味だと思いますよ!

どこで買える?

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12月下旬から1月にかけて、ガレット・デ・ロワと共に、南仏のパティスリーやブーランジェリーの店頭に並びます。

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この時期には、当地のスーパーのパンコーナーにもずらり! もちろん、マルシェにも並びます。

中には2つのサプライズ!

パン生地のなかには、陶器のラッキーチャームとフェーブ(そら豆)が入っています。バルセロナの情報サイト「Barcelona Metropolitan」によると、ラッキーチャームに当たった人はその1年が幸運に恵まれ、そら豆に当たった人は次回、ガトー・デ・ロワを買うことに。

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お店によっては、ラッキーチャームしか入れないこともあるので、その場合はラッキーチャームに当たった人が、次回ガトー・デ・ロワ(あるいはガレット・デ・ロワ)を購入することになります。

1月に南仏を訪れることがあれば、パティスリーやベーカリーをのぞいてみてくださいね! ラッキーチャームやフェーブにあたらなくとも、幸せな気分になれること間違いなしです。2020年も素晴らしい1年になりますように/Bonne année(ボンヌ・アネ)!

[barcelona-metropolitan.com]

[ambafrance.org]

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