バレーボールのジャパネット杯第72回全日本高校選手権は5日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザに男女各52校が出場して開幕した。長崎県勢は女子の九州文化学園が土浦日大(茨城)、男子の大村工が市尼崎(兵庫)にそれぞれストレート勝ちして2回戦に進んだ。
大村工は第1セット、WS大塚、OP松下らのスパイクで着実に加点。25-18で先取した。第2セットは18-21まで先行されたが、MB金子の1人時間差、MB松﨑の速攻などで追い上げ、29-27で競り勝った。
■小さなエース躍動 WS大塚14得点
大村工の小さなエースが躍動した。WS大塚は相手ブロックの指先を狙うスパイクでチーム最多の14得点を記録すると、守っても安定感のあるレシーブで勝利に貢献。その一つ一つの気迫のこもったプレーは、言葉よりも雄弁にアピールしていた。「小さくてもやれるんだぞ」と。
身長173センチのスパイカー。最高到達点320センチのジャンプ力と機動力を武器に、昨季から全国の大きなライバルたちに挑んできた。最上級生になった今季は、朝長監督も「対戦校からキーマンとして徹底マークされてきた」と認めるエース格に成長した。
この日の相手は強豪の市尼崎(兵庫)。スタメン6人の平均身長185センチの高さだったが「負けん気を持って頭を使いながらやれた」(大塚)。左右に走り回ってトスを呼び、空中で相手の位置を見極めてコースを突いた。点を決めるたびにガッツポーズやハイタッチで仲間を元気づけた。
姉の莉世さんは2014年に優勝した九州文化学園のメンバー。当時は小学6年生で、スタンドからその勇姿を見詰めていた。「憧れの存在。一つの目標にしてきた」。エースはチームを勢いづけると同時に、夢の姉弟日本一に向けて会心のスタートを切った。