マツダ2年連続でレコードブレイク! 小林可夢偉は最終セッションで最速タイム/IMSA公式テスト3日目

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権公式テスト“ロア・ビフォア・ロレックス24”の3日目が1月5日、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われ、アキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05(リッキー・テイラー/エリオ・カストロネベス/アレクサンダー・ロッシ組)がプラクティス最速タイムをマークした。

 例年、年明けの第1週目からデイトナで行われるロアは、世界三大耐久レースのひとつに数えられるデイトナ24時間の事前テストだ。2020年の同イベントは初日、2日目ともにマツダチーム・ヨースト勢がワン・ツーを築く速さをみせる。しかし、3日目はこれまで鳴りを潜めていた2019年王者アキュラ・チーム・ペンスキーが本領を発揮。
 
 7号車アキュラARX-05が非公式ながら、昨年のデイトナ24時間の予選で77号車マツダRT24ーPがマークしたレコードタイムを更新する1分33秒617を記録すると、チャンピオンカーの6号車アキュラARX-05も1分33秒784で2番手につけ、この日最初のセッションをワン・ツーで終えた。3番手は連日トップタイムを記録している77号車マツダが入ったが1分33秒台には届かなかった。
 
 DPi、GTLM(GTル・マン)クラスのピットボックス予選後に行われたプラクティス7では、デイトナ連覇を狙うコニカミノルカ・キャデラックDPi-V.R.の10号車キャデラックを駆る小林可夢偉が1分34秒533を記録してセッション最速タイムをマーク。
 
 これに77号車マツダが2番手で続き、3番手にはマスタング・サンプリング・レーシング/JDCミラー・モータースポーツの5号車キャデラックDPi-V.R.が入っている。

「デイトナに戻ってきて、ふたたびコニカミノルタ・キャディラックDPi-V.Rをドライブすることができ、とてもうれしく思います」と語った可夢偉。

「2019年のデイトナ24時間をこのチームで戦っているので、今週末の居心地はすごく良かったです。去年のクルマのフィーリングは正確に覚えていますし、何周か走った後の気分は最高でした」

「週末を通じてクルマの出来には満足していて、新しいチームメイトと仕事をする時間も楽しんでいます。僕たちは皆、一緒に素晴らしい仕事をし、とても迅速にプログラムをこなしていきました。ロレックス24を迎えることにとても興奮しています」

■抜かれたら抜き返す! 77号車マツダが“ニューレコード”樹立

小林可夢偉のドライブでプラクティス7最速となった10号車キャデラックDPi-V.R.
ドラゴンスピードUSAの81号車オレカ07・ギブソン

 LMP2クラスは、前日もトップタイムをマークしているドラゴンスピードUSAの81号車オレカ07・ギブソンが1分35秒140でクラス首位。GTLMでは同クラス唯一のシングルエントリーとなっているリシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ488 GTE Evoがトップとなった。
 
 FIA-GT3カーで争われるGTD(GTデイトナ)クラスはポール・ミラー・レーシングの48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoが1分45秒322というタイムをマークして、クラス最速となっている。

 レースウイークのプラクティスから決勝までの使用ピットを決める“予選”ではオリビエ・プラ駆る77号車マツダが、非公式ながらプラクティス6で塗り替えられたレコードタイムをさらに短縮する1分33秒324を記録してトップに。
 
 このベストタイムに続いたのはアキュラ・チーム・ペンスキー勢で、7号車が2番手、6号車が3番手につけた。ウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.R.がキャデラック勢の最上位となる4番手に入っている。

 GTLMクラスはプラクティス6でもトップに立った62号車フェラーリが自己ベストを更新。レコードタイムに迫る1分42秒685を記録して堂々のクラス首位となった。
 
 2番手はポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSRで、トップとの差はわずか1000分の1秒。コンマ1秒差の3番手にはコルベット・レーシングのニューウェポン、4号車シボレー・コルベットC8.Rが入った。
 
 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦にしてシリーズのハイライトでもあるデイトナ24時間レースは1月23~26日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

リシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ488 GTE Evo
7号車アキュラARX-05と3号車シボレー・コルベットC8.R
コルベット・レーシングの4号車シボレー・コルベットC8.R
48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoと86号車アキュラNSX GT3 Evo
ライリー・モータースポーツの74号車メルセデスAMG GT3
LMP2クラスのニューカマー、リック・ウェア・レーシングの2号車ライリーMk30・ギブソン
2020年デイトナ24時間公式テスト DPi&GTLMピットボックス予選結果(PDF)

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