「為替」関連倒産(12月度速報値)

 2019年12月の外国為替市場での円相場は、米中貿易摩擦の懸念が後退し、堅調な米株価に支えられて1ドル=108円台後半~109円台後半の範囲で推移していた。しかし、27日以降に米国とイランの間で軍事緊張が高まると、31日には1ドル=108円台前半に円高が進んだ。
 こうしたなか、12月の「円安」関連倒産速報値は2カ月ぶりに発生しなかった(前年同月ゼロ)。また、「円高」関連倒産も11カ月連続で発生しなかった(同ゼロ)。2019年(1-12月)の累計では円安関連が6件(前年比57.1%減、前年14件)、円高関連が1件(同66.6%減、同3件)で、ともに半減の大幅減少となった。
 しかし、2020年に入り、1月2日に米国がイランの軍司令官を殺害し、両国が戦争状態に入る懸念が強まっている。中東情勢緊張の高まりを受けたリスク回避選好により、為替相場では1月4日に1ドル=108円を割り込み、円高が進んだ。中東情勢の先行きは不明瞭で、為替変動が企業動向に与える影響には注意が必要だ。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

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