秋山加入のレッズ 2019年の外野手事情を振り返る

日本時間1月7日、レッズは秋山翔吾と3年2100万ドルの契約を結んだことを正式に発表した。日本プロ野球の埼玉西武ライオンズでは不動の正中堅手として活躍し、6度のゴールデングラブ賞に輝いた秋山だが、レッズでは外野の両翼を守る機会が多くなることが予想されている。レッズにはどんな外野手がいるのか。秋山のライバルは誰なのか。昨季のレッズの外野手事情を簡単に振り返ってみよう(以下の日付はすべて現地時間)。

昨季のレッズはセンターを本職とする外野手がいない状態で開幕を迎え、レフトはジェシー・ウィンカーとマット・ケンプの併用、センターはスコット・シェブラー、ライトはヤシエル・プイーグという布陣でスタートした。しかし、2017年に30本塁打を放ったシェブラーは5月3日終了時点で打率.123、2本塁打、OPS.475と全く打てず、翌4日にマイナー降格。その後は故障もあり、再昇格できないままシーズンを終えた。また、ケンプも打率.200、1本塁打、OPS.493と低迷し、4月23日に故障者リスト入りして5月4日には解雇。レッズは早々に外野陣の再編を強いられることになった。

シェブラーに代わって正中堅手となったのが球団内最高の有望株と目されていたニック・センゼルで、5月3日にメジャーデビューを果たし、104試合で打率.256、12本塁打、14盗塁、OPS.742とまずまずの活躍を披露。慣れないセンターの守備でも健闘していたが、右肩の故障により9月7日が最後の出場となった。センゼルが不動のレギュラーとなっていたセンターにはその後、フィリップ・アービンやマイケル・ローレンゼンなどが起用された。

ケンプが抜けたレフトはウィンカーがメインで起用され、113試合で打率.269、16本塁打、OPS.830をマーク。しかし、左腕には打率.163と相性が悪く、アービンやデレク・ディートリック、ジョシュ・バンミーターらとの併用が続いた。また、ウィンカーは首痛により8月18日の出場が最後となり、それ以降はアービンとバンミーターが出場機会を分け合う形となった。

ライトのプイーグは100試合で打率.252、22本塁打、14盗塁、OPS.777を記録していたが、7月末の三角トレードでインディアンスへ放出。代わってレギュラーとなったアリスティデス・アキーノは8月に打率.320、14本塁打、OPS1.160の大活躍で月間最優秀選手と月間最優秀新人をダブル受賞したが、9月は打率.196、5本塁打、OPS.619に終わった。

レッズの40人枠には、アキーノ、アービン、シェブラー、センゼル、バンミーター、ウィンカーのほか、2016年に30盗塁、2018年に24盗塁を記録したトラビス・ジャンコウスキー(パドレスからトレードで加入)、2018年に55試合で出塁率.397をマークしたニック・マルティーニ(パドレスからウエーバーで加入)、昨季AAA級で30本塁打を放ったマーク・ペイトン(ルール5ドラフトで獲得)、24歳のホゼ・シリと合計10人の外野手がおり、秋山と「二刀流」のローレンゼンを含めると外野手は12人。秋山が出場機会を確保するうえで、ライバルは非常に多い。

右肩の状態に問題がなければセンゼルは引き続きセンターのレギュラーとして起用される見込みであり、秋山は同じ左打者のウィンカーやバンミーター、右打者のアキーノやアービンとともに外野の両翼のレギュラーを争うことが予想される。アキーノが昨年9月のようなバッティングを続けるのであれば、秋山はライトで多くの出場機会を得ることになりそうだ。また、スプリング・トレーニングでセンターでの守備力をアピールできれば、センターに秋山、ライトにセンゼルが入る布陣が採用される可能性もあるだろう。レッズにリードオフマン型の打者がいないことも秋山にとっては追い風となるかもしれない。

© MLB Advanced Media, LP.