「もっと近い距離を感じさせてくれよな」コドモドラゴン、TSUTAYA O-EASTワンマンでフロア絶叫!

シングル「アノニマス」を手に、昨年11月よりスタートした全国ワンマンツアー『Hello,ANONYMOUS』。同ツアーのファイナル公演が、1月5日(日)にTSUTAYA O-EASTで行なわれた。先に、この日発表になったコドモドラゴンの新たな動きをお伝えしよう。

4月1日、コドモドラゴンは通算17枚目となるシングル「PEST」を3-TYPE発売する。表題曲の「PEST」は激しく畳みかける歌や演奏のインパクトも強烈な、ライブで熱狂を描くに相応しい楽曲。

コドモドラゴンは、同作品を手に通算17回目となる全国ワンマンツアー「否定ノ否定」を、4月4日よりスタートする。タイトルへ記した「否定ノ否定」、つまり「肯定する」という言葉がどんな意味を持っているのか。シングル「PEST」も手にしつつ、分析したくなる内容だ。ツアーのファイナルは、5月28日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)と発表。最近もZepp Tokyoや豊洲PITなど大規模なスタンディング会場でワンマン公演を行なってきたが、ホール公演は2017年に行なった中野サンプラザ以来、通算2度目。椅子席会場を舞台に、どんな熱いステージをぶち噛ますのか期待したい。

さらに、メンバー4人のBirthday ONEMAN LIVEを一気に発表。2月にギターゆめの生誕ライブを開催すれば、6月には、ヴォーカルのハヤト、ドラムのチャム、ベースのmeN-meNの生誕公演が立て続けに。しかも、メンバーそれぞれの地元や地元近郊で行なわれる。各々のBirthday ONEMAN LIVEにつけたタイトルが意味深なように、その内容も気になる。

他にも、コドモドラゴンのファンクラブ「コドモ會」限定ワンマン公演「獄彩Ⅲ」の開催も告知。池袋EDGEを舞台に据えたように、あえて密接な会場で汗だくのライブを行なうのもファンクラブ対象ライブならではの楽しみだ。ここからは、満員の観客たちで埋めつくされたTSUTAYA O-EAST公演の模様をダイジェストでお届けしよう。

メンバーの登場と共に沸き上がる熱した歓声。ライブは、観客たちの昂る気持ちへ熱を加えるように最新ナンバー「アノニマス」から幕を開けた。歌心抱いた華やかな楽曲ながら、ハヤトはモニターに右足を乗せ、身体を前のめりに観客たちを熱く煽りだす。「棘」を合図に、重厚な音を携え演奏は一気に駆けだした。深く身体を折り畳む観客たち。ハヤトの煽りを受け、フロア中から熱した声が飛び交う。観客たちの理性のストッパーをすべて外すように、コドモドラゴンは「Can't stop MAD teens.」を突きつけた。会場中に響く絶叫。右手を高く掲げ、リズムに合わせ満員の観客たちが一斉に飛び跳ねる光景は圧巻だ。

「のっけから熱量を感じて汗が止まらないです。腹一杯になるまでとことん音楽しようぜ」(ハヤト)の言葉通り、メンバーも、満員の観客たちも、最初から剥きだした感情をぶつけあっていた。天井の高い会場とはいえ、ステージとフロアとの距離感が密接だけに、会場中の人たちが本気でぶつかりあうことで、そこには小箱と同じようなムンッとした熱気が渦巻いてゆく。

「腐乱腐乱」とサビ歌を連呼する声が飛び交った、「クロトアカ」。活動初期からライブを熱狂に染め上げてきた「naked」を突きつけ、フロア中に作りあげたヘドバンの風景。横ノリな「FOX-7」でも、メロウな歌と大きくうねる楽曲に合わせ観客たちが笑顔で跳ね続けていた。コドモドラゴン流ダンスロックナンバーの「TETRA」や「パラダイムシフト」。「パラダイムシフト」の間奏時には、逆ダイする様も生まれていた。身体と身体を、本能と本能をぶつけあう関係がたまらなく心地好い。

「アスファルトに聞け!!」を合図に、理性の螺子をどんどん緩めだすメンバーたち。ここから一気に熱狂へ導くように、コドモドラゴンはギアをシフトアップ。フロア中の人たちが、ハヤトと一緒に「マイノリティーはどこ行った?」と声をぶつけあった「BONEHEAD」。観客たちを折り畳みの風景へ染め上げた、ヘヴィナンバーの「サイレン」。「俺たちの音楽と心中してくれないか」と叫ぶハヤトの声を合図に飛びだした「シリアルキラー」へ触発され、フロア中の人たちが一心不乱に頭を振りまわす。どの楽曲も歌心を抱いてるとはいえ、熱を発する曲たちへさらに熱を注ぎ熱狂へ酔うことを、この日の観客たちは何よりも強く求めていた。あの気丈なハヤトが、本編途中のMCで、「今日は1000人規模のライブハウスがちっちゃく感じる。ここまでに、マジで二度お前らに殺されかけたよ」と口走っていたほどだ。

「ブチ上げていこうぜ!!」。サビ歌始まりの「DIRTYxDIRTY」を合図に、ラストスパートへ。「亜種亜種亜種」と歌い叫びながら沸き立つ熱をぶつけ、フロア中をヘドバン渦巻く風景に染め上げた「亜種」。ハヤトと観客たちとの息ぴったりな歌の掛け合いが飛び交った「無脳bot」。本編最期にコドモドラゴンは「DOUBT」を演奏。重く激しい演奏へ触発され、フロア中が絶叫と熱狂に染まりだす。騒ぎ立てる観客たちを、さらに煽るメンバーたち。ゴリゴリとした音が、4人の気迫が、身体を次々と撃ち抜いてゆく。その熱狂を全身で受け止め騒ぐ観客たちにより、フロアは喧騒に包まれていった。

アンコールは、コドモドラゴンの存在を飛躍させるきっかけとなった「RIGHT EVIL」からスタート。ふたたびフロア中が、突き上がる無数の拳で埋めつくされた。場内中の人たちがハヤトの歌に歌声を掛け合わせるように雄々しく熱唱。そこには、紛れもなく熱情のパーティ空間が生まれていた。

スリリングかつアグレッシブな演奏を突きつけ、観客たちの理性を瞬時にぶっ飛ばした「ISOLATION」。フロア中が沸き立つ絶叫で塗り上げられる。その様を崩れんばかりの楽しい表情で見つめ、煽り続けるメンバーたち。「もっと近い距離を感じさせてくれよな、とことん殺りあおうぜ!!」、「ゼロ・アイデンティティー」では、ハヤトがフロアへ降りて観客たちを煽る場面も登場。ハヤトへ向かって会場中の人たちが身体を折り畳む風景の、なんと凄まじかったことか。

最期の最期に、コドモドラゴンは「WARUAGAKI」を叩きつけた。メンバーが、満員の観客たちが、沸き立つ本気を剥き出しにぶつけあう。そこに生まれていたのは、熱狂なんて言葉じゃ言い尽くせない、魂と魂が一つに溶け合い燃え盛るようなライブだった。フロア中の人たちを限界の先にある恍惚へと連れだした、コドモドラゴン。その光景を生み出す力こそが、今の彼らの真実だ。

今年、コドモドラゴンは結成10周年を迎える。そこへ向けこれからどんな動きを作りあげるのかも楽しみだが、TSUTAYA O-EAST公演にも描き出していたように、会場の規模を遥かに凌駕する圧倒的なパワーと存在感を持ったステージングを、毎回身近な距離で味わえるのが何よりも嬉しいこと。その贅沢を、次のツアーでも存分に味わってもらいたい。

「ア¥ニマス」
「棘」
「Can't stop MAD teens.」
「クロトアカ」
「naked」
「FOX-7」
「TETRA」
「パラダイムシフト」
「アスファルトに聞け」
「BONEHEAD」
「サイレン」
「シリアルキラー」
「DIRTYxDIRTY」
「亜種」
「無脳bot」
「DOUBT」
-ENCORE-
「RIGHT EVIL」
「ISOLATION」
「ゼロ・アイデンティティー」
「WARUAGAKI」

PHOTO: Keiko Tanabe TEXT:長澤智典

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