献身的プレーでチームけん引 大村工のエースで主将・松下 全日本バレー高校選手権

【男子準々決勝、松本国際-大村工】第3セット、大村工のエース松下がスパイクを決めて15点目=武蔵野の森総合スポーツプラザ

 バレーボールのジャパネット杯第72回全日本高校選手権第3日は7日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで男女の3回戦と準々決勝が行われ、長崎県勢は男子の大村工が3回戦で橘(神奈川)にストレート勝ちしたが、準々決勝で第1シード松本国際(長野)にフルセットの末に惜敗した。

 ■主将・松下 献身的プレーでチームけん引

 誰よりも必死でレシーブをつなぎ、ブロックに跳んだ。強烈なジャンプサーブやスパイクを何度も打った。5年ぶりに8強入りした大村工。エースで主将の松下は、最後まで献身的なプレーでチームを引っ張った。
 昨季から2年生エースとして、チームの主力を担ってきた。だが、昨冬は清風(大阪)の徹底マークを打ち破れずに3回戦敗退。悔しさ、無力さを肌で知った後、伝統のチームの主将に任命された。「来年こそはセンターコート(4強)に立つ」。強い思いを胸に挑戦の1年が始まった。
 日々の練習から全力を尽くしてきた。副主将の浦とともに「駄目な部分を指摘し、修正するように取り組んできた」。エースとして戦い抜く体力や跳躍力をつけるため、練習後も率先して走り込んだ。「来季につながるように」と後輩の指導も手を抜かなかった。
 この日の松本国際(長野)戦。「負けたくない」という気迫あふれるプレーは、仲間たちを勇気づけた。難しいボールを懸命に拾い、自らトスを呼んで打ち込んだ。第2セット、会心のブロックで相手エースを止めた。朝長監督が「主将らしいプレーだった」とたたえる奮闘だった。
 4強への壁は越えられなかった。「まだ何かチームにできたんじゃないか」と悔いも残る。でも、この言葉だけは迷わずに言えた。
 「3年間、大村工でバレーができてよかった」

© 株式会社長崎新聞社