兵庫県点字図書館に聴読室 視覚障害者の学習環境を向上へ

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兵庫県点字図書館にできたオーディオブックを聴くための「聴読室」=神戸市中央区坂口通2

 兵庫県点字図書館(神戸市中央区)にこのほど、書籍を音声化した録音図書(オーディオブック)を聴くための「聴読室」ができた。大学と連携し、専門書のオーディオブックを充実させる。聴読室の開設は全国的に珍しいといい、視覚障害者の知識や教養の向上のため、学習環境を整えていく。(川崎恵莉子)

 同図書館は無料で利用でき、小説を中心に約6万巻のオーディオブックを貸し出している。部屋にはパソコンや専用の再生機器を設置。個室で集中しながら音声を聴くことができる。

 同図書館によると、オーディオブック作成には膨大な時間を要し、200ページの書籍で200時間以上かかるという。さらに、専門書は用語やテキストの校正、音声化のチェックに専門知識が必要とされる。

 県は神戸大や関西学院大と地域創生に関する包括連携協定を結んでおり、両大学と連携協力することで作成をスピードアップさせることにした。現在、約200冊の専門書について作成中で、今後は学生と協力しながら校正作業を進める。県障害福祉局の羽原好一局長は「聴読室を有効的に使用するために、オーディオブックの充実は必要」と話し、年間約500冊の作成を目標にしているという。

 同図書館の倉本志朗副館長は「現在は地域で視覚障害者が学ぶ環境が十分に整っていない。オーディオブックなどで知識を得て、将来の選択肢を増やしてほしい」と話した。