「甲」「乙」匿名審理始まる 相模原障害者殺傷事件初公判

初公判の傍聴を希望する障害者らも多く駆け付けた。激しい雨が降る中、冷え込む野外での列に戸惑う人たちが相次いだ=8日午前9時50分ごろ、横浜市中区

 8日の初公判で、犠牲者は「甲」にアルファベットが割り当てられて審理が始まった。重軽傷を負った入所者や職員も「乙」や「丙」と呼ばれ、ほとんどの呼称が匿われた。被害者は46人、被告が問われた罪名は六つに及び、検察官による起訴状の朗読だけで5分を要した。

 被害者参加制度を利用する遺族や被害者家族は多数にわたり、検察官のそばに収まりきらず、地裁は公判廷を傍聴席の一角まで拡張。本来は84ある傍聴席のうち、30席部分を被告や傍聴人から見えないよう、ついたてで遮蔽(しゃへい)した。こうした対応は、最高裁も「把握していない」という。

 裁判長は開廷前、遮蔽内に立ち入れば、「身柄を拘束する場合もある」と傍聴人に注意し、物々しい雰囲気で公判が始まった。

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