裁判長「止めなさい」 4人の刑務官が被告取り押さえ 法廷内一時騒然 相模原障害者殺傷事件、初公判

横浜地裁

 開廷から約20分後の一瞬の出来事だった。弁護人が無罪主張の意見を述べた後、裁判長に促されて弁護側の自席に戻りかけた植松聖被告は、再び証言台の前に戻り、発言した。

 「皆さまに深くおわび致します」。消え入りそうな声でそう述べた被告は突然前かがみになり、あごに両手を当ててうめき声を上げ始めた。

 「止めなさい」。裁判長が叫ぶと同時に、4人の刑務官が一斉に被告を取り押さえ、床に倒れ込みながらもみ合いに。裁判長が即座に休廷を告げると、「傍聴人は速やかに退廷しなさい」と地裁職員の怒声が法廷内に響き、騒然とした。

 休廷後、最前列で傍聴していた津久井やまゆり園の入倉かおる園長は動揺した様子で「舌をかみ切ろうとしたように見えた」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社