春の高校バレー 一枚岩となった3年生が引っ張る東龍 日本一まで、あと2つ

©オー!エス! OITA SPORTS

第72回全日本バレーボール高校選手権大会

2回戦 東龍2–0川崎橘(神奈川)

3回戦 東龍2–0松山東雲(愛媛)

準々決勝 東龍2–0誠英(山口)

 

 「余力を残しての突破」といえば語弊があるかもしれないが、東九州龍谷(東龍)が準決勝に駒を進めた。竹内誠二監督も選手たちも、手応えを感じているに違いない。コートに1年生が半分を占める若いチームは、初戦の川崎橘戦こそ動きが硬かったが、3回戦、準々決勝と勝ち上がるごとに代名詞の高速コンビバレーと粘り強さが増した印象だ。

 

 4月に相原昇前監督からバトンを受けた竹内監督、重要な役どころを担うセッター新改星南ら1年生にとって春の高校バレーは、これまでの大会と異なるもの。「意識はしないようにしたが、やはり春の高校バレーは別物。会場の大きさ、応援の大きさ、スポットライトの当たり方、全てが違った」と竹内監督。夏の全国高校総体で全国舞台を経験し、秋の国体で準優勝しても燦々(さんさん)と光り輝くオレンジコートは別格だった。

 

 それでも1セットも落とすことなく勝ち上がるのはチーム力の高さだ。1年の頃から晴れ舞台に立つ荒木彩花(3年)とエース室岡莉乃(2年)が太い柱となり、土台となる3年生たちがチームをしっかり支える。今大会に出発する2日前に荒木が声掛けし、3年生全員でミーティングをした。「コートに立っている人もそうでない人も一丸となって日本一を目指そう。そんな話をみんなでした。自分自身、チームに何ができるかを考えた」と後藤七海(3年)。今大会、ピンチサーバーとして主に後衛の守備固めで起用されることが多いが、安定感のあるレシーブでチームを落ち着かせた。

安定感あるプレーが光る後藤七海

 後藤のようにコートでチームを支える者もいれば、ベンチから常にコーチングの声を掛け続ける岡部紗弥ら3年生の存在は大きい。昨年のチームに比べ、高さや技術、フィジカル、メンタルも落ちる。ただ、今年のチームは選手同士が声を掛け合い、コミュニケーションを絶やさない。「1年生は緊張がバレないようにしているけど顔が強ばっていた」と感じた岡部は、プレッシャーを背負わせないように笑顔でたわいない話をして和ませた。

 

 そんな上級生の支えがあって1年生は伸び伸びとプレーしている。新改は自信を持ってトスを振り分け、佐村真唯(1年)が持ち味の強烈なスパイクを叩きこむ。竹内監督も相手の流れを遮断するタイムアウトと選手交代で落ち着いたベンチワークを見せる。チームの余力はまだまだあり、ピークは準決勝、決勝で到達しそうだ。次の相手は2年連続決勝で敗れた金蘭会(大阪)。宿敵を倒し、2011年以来の日本一を目指す。荒木は「どんな勝ち方でもいい。日本一になる」とチームの思いを代弁した。

一体感がチーム力を高める

 

(柚野真也)