WRC:トヨタ離脱のオット・タナクがヒュンダイの拠点訪問。「初走行でマシンにはいい驚き」

 2019年のWRC世界ラリー選手権王者で2020年はヒュンダイへ移籍するオット・タナクが、チームのファクトリーを訪れシート合わせなどを実施。2019年12月にはヒュンダイi20クーペWRCのテストもこなしており、「初走行でマシンにはいい驚きを感じた。いいフィーリングを感じられた」とふり返っている。

 2018~19年シーズンをTOYOTA GAZOO Racing WRTの一員として戦い、2019年にはトヨタ・ヤリスWRCで初のWRCワールドチャンピオンに輝いたタナクとコドライバーのマルティン・ヤルヴェオヤ。タイトル防衛がかかる2020年に向けてはトヨタを離れ、新たにヒュンダイからシリーズへ参戦する。

 そのヒュンダイは2019年にWRCで初めてのチームタイトルを獲得。2020年はドライバーズタイトル、コドライバーズタイトルとの三冠を目指し、タナクとティエリー・ヌービル、ダニ・ソルド、セバスチャン・ローブの4名を揃える強力布陣を敷いた。

 新加入となるタナクは2019年12月5日にフランス国内でi20クーペWRCのテストを行ったほか、2020年1月2日にはドイツ・アルツェナウにあるチームのファクトリーを訪れ、シート合わせなどの作業を行った。

「ヒュンダイのチームは情熱に溢れているし、ひとつの目標に集中して仕事に臨んでいる。僕たちともおなじ野望を共有していると感じるから、開幕戦モンテカルロが待ち遠しい」とタナク。

「12月に1日だけテストを行う機会があった。短い時間だったけれど、スタッフからは手厚いサポートを得られたよ。もちろん、まだ顔なじみではないメンバーもいるけれど、新しい関係を築き始めた段階で、これは当然のことだ」

「ヒュンダイi20クーペWRCには初走行でいい驚きを感じた。どのクルマも個性があるものだけれど、いまのところi20クーペWRCは強力なパッケージに仕上がっていると思う。開幕戦までにテストの機会もあるから、しっかり準備も整えられるはずさ」

「僕たちはまだWRCで1度タイトルを獲っただけ。そして新シーズンにはまっさらな状態で挑むことになる。僕が培ってきた経験をチームに還元してドライバーズ、コドライバーズ、チーム、それぞれのタイトル防衛に全力で挑むよ」

 2020年シーズンに向けては元シトロエンのエサペッカ・ラッピを起用したMスポーツ・フォードもテストを重ねており、SNSやYouTubeにはその模様を収めた写真や動画などが複数掲載されている。

 タナク離脱にあわせて全ドライバーを入れ替えたTOYOTA GAZOO Racing WRTは、千葉県の幕張メッセで開催される東京オートサロン2020の会場で1月10日(金)11時45分から、2020年参戦体制発表会を実施する。

 最終戦にラリー・ジャパンが組み込まれた2020年シーズンのWRCは、1月23~26日の第1戦モンテカルロで開幕する。

2020年のWRCにヒュンダイから参戦するオット・タナク。2019年12月には1日の走行テストを行った
オット・タナクがテストで乗り込んだヒュンダイi20クーペWRC
オット・タナクがテストでドライブしたヒュンダイi20クーペWRC。マシンには2019年チームチャンピオンを表すステッカーも
オット・タナクがテストでドライブしたヒュンダイi20クーペWRC
ドイツにあるヒュンダイのファクトリーを訪れ、シート合わせを行ったオット・タナク
2020年シーズンに向けてシート合わせを行ったマルティン・ヤルヴェオヤ

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