Rソックス・ベッツのトレード放出は起こり得るのか

今オフの注目トピックの1つであり続けているのが「レッドソックスはムーキー・ベッツをトレードで放出するのか」ということだ。今季の年俸総額をぜいたく税の対象ライン以内に抑える方針のレッドソックスだが、その解決策となるような動きを見せることはできていない。ベッツはこのままレッドソックスの一員として今季の開幕を迎えることになるのだろうか。

ESPNのジェフ・パッサンは、「レッドソックスはムーキー・ベッツをトレードで放出するのか」という問いに対して「その答えはオフシーズンの間、ずっと変わっていない。『おそらくトレードされないだろう』というものだ」とコメント。今季終了後にフリーエージェント市場に出る意志の固いベッツが契約延長に応じる可能性はないに等しく、ベッツをトレードで獲得するチームは、ベッツを1年保有するだけのために複数の有望株を放出し、高額の年俸を負担しなければならない。そのようなチームは現れないというのが大方の予想だ。

レッドソックスは、今季の優勝争いを諦めているわけではなく、年俸総額の問題さえ気にしないのであれば、無理にベッツを放出する必要はない。むしろベッツはポストシーズン進出を目指すうえで必要不可欠な戦力である。ベッツを保有し続ける間に契約延長にチャレンジすることもできるし、契約延長が成立しなくても、シーズン終了後にクオリファイング・オファーを提示し、ベッツ流出の補償として2021年のドラフト指名権を得ることができる。

また、2020年の戦いぶりが思わしくない場合、2018年途中にオリオールズがマニー・マチャドをドジャースへ放出したように、シーズン途中でベッツを放出することもできる。この場合、レッドソックスはベッツ流出の際に得られるドラフト補償指名権で獲得できる選手と、ベッツのトレード放出で対価として得られる選手を比較し、トレード放出に関する決断を下すことになる。

レッドソックスとベッツに関して確実に言えることは、ベッツが年俸調停期間の選手による最高年俸記録を更新する可能性が高いということだ。従来の記録はノーラン・アレナード(ロッキーズ)の2600万ドルであり、2800万ドルを超える可能性も取り沙汰されているベッツがこの記録を更新するのはほぼ確実。なお、アレナードはこの記録を打ち立てたあと、ロッキーズと8年2億6000万ドルの超大型契約を結んでいる。

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