傍聴券求めて約2千人 相模原障害者殺傷事件、初公判

初公判の傍聴を希望する人たちが雨の中、長い列を作った=8日午前9時40分ごろ、横浜市中区の象の鼻パーク

 植松聖被告の初公判では、用意された一般傍聴席26席の約75倍に当たる1944人が傍聴券を求めて、長い列をつくった。大半が報道関係者とみられるが、福祉関係者や障害のある当事者らも全国から集まり、関心の高さをうかがわせた。

 傍聴券の抽選は、混乱を避けるため横浜地裁近くの象の鼻パーク(横浜市中区)で実施。受け付け作業に時間を要し、午前11時の開廷時間が25分遅れた。

 介護施設職員だった北海道帯広市内の会社員男性(41)は、過去の自らの経験と向き合うため足を運んだ。「被告の胸の内を知りたい。介護施設ではストレスがたまり、入所者にきつく当たったこともあった。人ごとではない」。裁判では「被告のような人間を生み出さない方法はなかったのか知りたい」と話した。

 旧優生保護法下で強制不妊手術の被害に遭った東京都在住の北三郎さん(76)=仮名=も列に並んだ。「19人も殺(あや)めておいて自らの行動を正当化するという考えがなぜ生まれるのか。それが明らかになってほしい」と述べた。

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