2019年12月号のルアーマガジン誌上で水面を泳ぐ画像だけを掲載し、大反響を呼んだレイドジャパンの新作『マイクロダッジ』ですが、ついにその全貌が明らかとなりました。その名のとおりダッジのダウンサイズ版かと思いきや…なんとボディにはABSではなくエラストマー素材を採用。しかもオフセットフック推奨!? その開発コンセプトを金森隆志さんに語ってもらいました
【Profile】
金森隆志(かなもり・たかし)
岸釣り最強を決するルアーマガジンの大人気企画『陸王』で2011年と2013年にチャンピオンカーニバルを制覇。2012年には歴代陸王の集うレジェンド戦で頂点に立った稀代の岸釣りエンターテイナーにしてレイドジャパン代表。2016年にはルアマガモバイル艇王にも輝き、陸に限定されないゲームの幅を見せつけた。シーズナルパターンを軸に、ベイトフィッシュの存在や地形からビッグフィッシュのポジションを特定する術は圧巻のひと言だ。
第3のダッジは、羽根モノと虫ルアーの「いいとこ取り」
今もなお圧倒的な人気と釣果を誇るレイドジャパンの羽根モノ『ダッジ』シリーズ。そのダウンサイズ版が2020年、ついに発売されます。
が、予想に反してボディはプラスチックではなくエラストマー素材!!
伸縮性に富んだエラストマー素材を採用したのは、もちろん大きな理由があります。無意味なサイズダウン版は出したくなかった、と生みの親の金森隆志さん。
金森「ボディをプラスチックで作るだけだと、単に数がよく釣れる小さなダッジになってしまう。小さくするのなら、通常の羽根モノでストレスな部分を解消したかったんです。
つまり、ブッシュであったりアシであったりオーバーハングの下にスキップさせて入れたりと、トリプルフックが付いたハネモノじゃできなかったことをやりたかったのがマイクロダッジ開発の原点。
ボディを小さくして、オフセットフックが背負えるエラストマー素材なら、今まで無理だったところに入れ込める。なおかつ、枝に吊るしたりという虫的な釣りもできる。さらに、虫系のウィークポイントであるただ巻き時のアピールの弱さも羽根があることでカバーできるんですよ」。
つまり、羽根モノと虫系ルアーのメリットを両方備えているのが『マイクロダッジ』なんですね。
食わせとアピールの両立! そのメリットを活かした展開が可能に!!
では、『マイクロダッジ』には、どのようなタックルが適しているのでしょうか?
金森「メインとなるのはスピニングタックルですね。ど真ん中はライトクラスのスピニングロッド。僕はPEの0.6か0.8号で、水面に浮かせたいからリーダーはナイロンの8ポンドを使ってます。フロロの4とか5ポンドでも問題なく使えるし、8ポンドフロロを巻いたベイトフィネスタックルでもキャストできます」。
金森「釣り場に着いてマイクロダッジを投げれば、その日の状況が判断しやすくなります。たとえば、枝なんかに吊るして誘ったほうがバイトが多い時は虫系ルアーに切り替えてもいいし、オープンウォーターで出やすい時は羽根モノをメインにしてもいい。ライトクラスのスピニングって特に岸釣りだと必ず1本は用意するタックルなので、そこにマイクロダッジを結んでおけばあらゆる状況に対応できて、いいことづくめだと思います」。
単なる小さなダッジではないレイドジャパンの自信作。コンパクトなボディには、こちらが想像した以上の大きなポテンシャルを秘めているのです。
金森「虫ルアーが効く初夏にはお届けできると思います!」