【米・イラン情勢緊迫】神奈川の米軍基地、普段と変わらず

米海軍横須賀基地の正門前は落ち着いた様子だった=横須賀市本町2丁目

 イランがイラクの米軍基地を攻撃したニュースが駆け巡った8日、米海軍横須賀基地(横須賀市)や、米陸軍相模総合補給廠(しょう)=相模原市中央区=といった神奈川県内の米軍施設周辺は、普段と変わらない様子だった。

 横須賀基地の警戒レベルは過去、2001年の同時多発テロ直後に4段階中最高の「D」、05年のロンドン同時爆破テロの際は「B」まで引き上げられ、小銃を持った部隊を基地内に配置するなどして警備を強化している。今回は、同基地正門前での米軍関係者や車両の出入りに普段との差は見られず、複数の関係者によると、警戒レベルは変更されていないという。

 在日米海軍司令部は「各基地の現在の警戒態勢や、米海軍の艦船と航空機の運用計画についてはお答えしない」と言及を避けた。

 JR相模原駅前に広がる相模総合補給廠正面ゲートに表示された警戒レベルは「A」で8日夕時点では、通常時と変化なかった。それでも主に物品の倉庫として使われてきた補給廠には18年10月からミサイル防衛部隊の司令部が置かれ、基地機能は強化されている。監視活動を続ける金子豊貴男相模原市議は「身近にある基地も戦場とつながっている」と警戒した。

 また、海上自衛隊横須賀基地(横須賀市)に配備されている護衛艦「たかなみ」を中東の周辺海域に派遣する計画に関し、防衛省は神奈川新聞社の取材に「現時点で派遣の中止や計画の変更などはない」と返答した。

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