欧州で希少疾病薬販売 日医工2年後市場投入

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欧米向けのオーファンドラッグを生産する日医工静岡工場=静岡県富士市

 日医工は、米国で開発を進めている希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)について、市場投入を予定する米国に加え、欧州連合(EU)の2カ国でも販売する方針を固めた。欧州には現地の医薬品メーカーと提携して進出する。販路拡大が狙いで2年後の市場投入を見込む。希少性と付加価値の高い製品の販売を通じて海外展開を加速させる。 (経済部・池亀慶輔)

 対象疾病の患者が多い北欧での臨床試験(治験)データの収集に向け、準備を進めている。医薬品の審査などを行う欧州医薬品庁(EMA)に製造販売承認を申請する予定。製品は静岡工場(静岡県富士市)で生産し、欧米に輸出する。模倣される恐れがあるため、発売まで対象となる治療薬と病名を明らかにしていない。

 米国で進めている臨床第2相試験(フェーズ2)は2021年度にも終了する見通し。製品は米食品医薬品局(FDA)から承認審査が優先される「ファストトラック」に指定された。臨床第3相試験の段階で販売を始めることができる。米子会社セージェント社を通じて投入し、販売と治験データの収集を同時に進める。欧米では発売から最長7~10年間の独占販売が認められる。

 日医工は10年にオーファンドラッグの開発を始めた。特定の疾病に有効な治療薬から別の疾病向けの新たな薬効を見つけ出すドラッグ・リポジショニング(既存薬再開発)と呼ばれる手法を活用。既存の医薬品が元になるため安全性が確立されているほか、低い製造コストも利点となる。