凶悪事件を未然に防げ!井沢率いる『ミハン』チームが2人の危険人物の真実に迫る!

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『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』第1話完全版

日本国民のあらゆる個人情報や全国の監視カメラの映像などが集約されたビッグデータを解析し、AIが統計学的に割り出した”未来の犯罪者“を、潜入・追跡捜査して犯罪を未然に防ぐ未然犯罪捜査対策準備室・通称『ミハン』。

この特命班のリーダーを務める井沢範人(沢村一樹)は、元公安のエリート刑事だが、ミハンシステムによるテストケース『0号』の冤罪事件が原因で、妻と娘を無残に殺された過去を持つ。普段は物腰も柔らかく、飄々としていてつかみどころがない井沢だったが、その裏側には刑事としての一線を超えてしまいそうな凶暴性も内包しており、警察上層部からも危険視されていた。

井沢は、ミハンが割り出した麻薬組織同士の争いを抑止するため、メンバーの山内徹(横山裕)や小田切唯(本田翼)、間もなく結婚退職する南彦太郎(柄本時生)とともに東京と香港を結ぶクルーズ船に潜入。新たに加わった伝説のハッカー・加賀美聡介(柄本明)の支援もあり、事前に犯行を防ぐことに成功する。

別の日、井沢は、山内や小田切、新メンバーのキャリア・吉岡拓海(森本悠希)とともに、ミハンの新たな拠点となる施設に集まる。そこは、移転が決まっている公営卸売市場の地下だ。そこで井沢たちを待っていたのは、ふたりの法務省官僚――北見俊哉(上杉柊平)と、自らミハンの統括責任者を志願した香坂朱里(水野美紀)だった。

香坂は、皆の前で井沢の過去とその危険性に言及し、改めて人員の見直しをするとしながらも、さっそく捜査の指示を出す。それは、ミハンが同時にふたりの危険人物を探知するという、初めてのケースだった。

井沢たちは、その危険人物たち――弁護士の田代智之(中林大樹)と、刑務所から出所したばかりの風俗店店員・藤倉尚也(篠原篤)を探る。ふたりの間に接点はなかったが、田代は拳銃を、藤倉は青酸化合物をそれぞれ違法に入手していた。

山内は、公安部部長の曽根崎正人(浜田学)に呼び出される。山内を、監察官としてミハンに加えるよう上層部に依頼したのが曽根崎だった。

そこで曽根崎は、ミハンの法制化を進めるにあたって、井沢を監視するよう山内に命じる。井沢は優秀だが、また一線を超える危険人物だというのだ。同席した香坂は、ミハンテストケース0号の冤罪事件をもみ消そうとした罪で逮捕された元警察庁次長・町田博隆(中村育三)が間もなく保釈されることを懸念していた。曽根崎は、山内に拳銃の携帯を指示し、井沢が一線を超えるようなことがあれば撃てと告げた。

そのころ井沢は、吉岡、加賀美とともに田代のマンションを訪れていた。室内に潜入し、監視カメラを設置する井沢たち。その際井沢は、田代が恋人らしき女性・澤本歩美(角島美緒)と写っている写真を見つけていた。

その夜、潜入捜査に成功した山内は、藤倉の下で客引きの仕事をする。するとそこに田代が現れ、藤倉と口論になった。その際、田代は歩美の名前を口にして、殺してやると藤倉に迫っていた。

加賀美は、客を装い、以前の店でも藤倉と一緒だった風俗嬢に接近して情報を得ようとする。そこでわかったのは、藤倉が風俗店や飲食店を手広く手掛けている近藤隆司(外川貴博)という男に気に入られていること、小さな女の子か写っている古い写真を大事にしているということだった。

風俗店の控室で藤倉の所持品を探った山内は、陶芸の窯の前にいる小さな男の子と女の子の写真を見つける。藤倉の両親は、彼が中学生のころに事故で他界していたが、生前は小さな陶芸店を営み、近所の子どもたちに陶芸を教えていた。

あくる日、小田切は、PTSDの治療でグループセラピーに通っている田代をマークし、潜入捜査をする。が、男に襲われた過去がフラッシュバックし、自分のことを話せなくなってしまう小田切。そんな彼女を助けたのが、参加者のひとりで、スポーツカメラマンの篠田浩輝(高杉真宙)だった。

自分のことを話すのは難しいから、まずは他の人の話を聞きたいという篠田の言葉を受け、臨床心理士は田代を指名した。そこで田代は、薬害訴訟の代理人を務めたときに、被害に遭った子どもが入院している病院で出会った看護師と恋に落ちたことを話し始めた。続けて田代は、その女性と結婚する予定だったこと、彼女が妊娠したこと、そして5年前の山岳鉄道の脱線事故で彼女を失ったことを告白した。

指揮車両で田代の話を聞いていた加賀美は、脱線事故の情報から、歩美の情報を得ていた。歩美は、藤倉の幼なじみで、田代の婚約者でもあったのだ。

同じころ、井沢は、田代が近藤について調べていたことを知る。近藤は、井沢たちが逮捕した麻薬密輸組織のリーダー・垣内浩二(深見亮介)とも繋がっており、垣内の組織が得たブラックマネーの資金洗浄をしていた。

その夜、藤倉は近藤に同行してとある高級料理店を訪れる。そこに現れたのは、厚生労働省麻薬取締部のエースでもある岸本修一郎(新納慎也)だった。また、山岳鉄道事故の犠牲者の中に、岸本の同僚だった富永和義とその家族が含まれていることも明らかになっていた。一方、香坂は、垣内の部下だった佐川武弘(田上晃吉)という男が、藤倉と同じ刑務所に最近まで服役していたことを井沢たちに報告する。

佐川に接触し、元子役の演技力で彼と親しくなった吉岡は、藤倉の写真を見せた。佐川は動揺しつつも知らないと答えるが、吉岡の巧みな誘導によって真相を話し始めた。

ほどなく、事件の全容が明らかになった。山岳鉄道の事故は岸本たちが意図的に引き起こされたものだったのだ。岸本と麻薬組織のつながりに気づき、証拠も得ていた富永を、列車の自動走行システムに細工し、事故に見せかけて殺害したのだ。刑務所にいた藤倉は、佐川から偶然その話を聞いたらしい。佐川は、ターゲットの富永が鉄道に乗り込んだら連絡するよう、見張り番をさせられていたのだ。

そんな中、田代が動き始めた。拳銃を隠し持って岸本の元へと向かったのだ。そこに現れた藤倉は、田代を止めようとした。しかし田代は耳を貸そうとはしなかった。すると藤倉は、「やるなら、一緒にやる」と言い出し……。

山岳事故から5年目となる日、事故現場には遺族たちが集まっていた。そこには田代と藤倉の姿もあった。藤倉は、近藤と岸本が会う3日後に実行しようと決める。そんなふたりに接触した井沢は、家族を殺された経験を打ち明け、犯人を殺そうとしたこと、そして殺せなかったことを後悔していると告げる。「正解がないなら――自分が正しいと思う道を、強い意志を持って選びとるしかない」。

井沢の言葉を聞いた小田切は、山内に拳銃のことを切り出した。小田切は、山内が井沢を見張っていることに気づいていたのだ。そこで山内は、町田が釈放され、奥多摩の別荘で悠々自適の生活を送っていることを小田切に話す。

その夜、井沢は町田の別荘を訪れる。そこで井沢は、妻と娘を殺した凶器のナイフを取り出した。いままで見つかっていなかった凶器が、差出人不明で井沢の元へと送られてきたのだ。井沢は、真相を話せと町田に迫った。

あくる日、井沢は香坂に呼び出された。町田が昨夜から行方不明になっているというのだ。どこにいるのか知っているか、と問いかける香坂に、自分も聞きたいことがあると言い出す井沢。香坂が、井沢の妻と娘を殺した罪で服役している宇佐美洋介(奥野瑛太)と面会していることを知ったからだった。

しかし香坂はそれには何も答えず、井沢を外して自分が現場のリーダーを担うことも考えていると告げた。それに対して井沢は、現場に立つということは犯人と対峙することだと返す。次の瞬間、香坂は井沢に向かって踏み込み、攻撃を仕掛けた。一瞬の攻防だったが、井沢はその腕前に驚いていた。そこに、ミハンが新たな危険人物を探知したという知らせが入る。それは岸本だった。マトリの岸本は、藤倉たちにマークされていることに気づいていたのだ。

井沢たちは、藤倉と田代を保護しようとした。そのころ藤倉は、田代のマンションで彼を拘束し、ひとりで岸本を殺しに行ってしまう。田代のマンションに駆けつけた井沢たちは、拘束を解いて彼を保護した。田代は、両親の死に直面し、自殺を試みた藤倉が、歩美に支えられて生きてきたことを打ち明けた。藤倉は、歩美から田代との結婚を打ち明けられてもなお、彼女のことを愛していた。青酸化合物を入手したのも、自分が犯人を殺害し、すべてを背負って命を絶つためだった。

藤倉は、岸本を殺害しようと試みたが、近藤たちによって捕らえられ、産廃処理工場に連れて行かれる。近藤が所有している物件から、死体処理に使われそうな場所を割り出した井沢たちは、間一髪のところで藤倉を保護した。井沢は、岸本から拳銃を奪い、逃げようとする彼を追った。すると岸本は、近くにいた母娘に襲いかかり、母親をナイフで刺すと、娘を人質にした。岸本の要求に応じるしかなかった井沢は、持っていた拳銃を彼に放った。それを拾い、井沢に銃口を向ける岸本。

その危機を救ったのは山内だった。山内が、拳銃を狙って発砲したのだ。井沢は、起き上がろうとした岸本を蹴り上げ、何度も殴りつけた。制止しようとして弾き飛ばされる山内。井沢は、落ちていた拳銃を拾うと、岸本に向かって引き金を引いた。その瞬間、井沢と岸本の間に入った山内は、肩を撃ち抜かれていた。「あなたを人殺しにはさせない」。山内は、そう井沢に告げ……。

小田切は、田代とともに藤倉が収容された病院を訪れる。ふたりに、5年前の脱線事故が再捜査されることを告げる小田切。そこで藤倉は、弁護士を続けろと田代に告げた。すると田代は、「君は陶芸を」と返す。歩美が、藤倉の作る陶芸が好きだと言っていたのだという。

ミハンルームにいた香坂の元に、曽根崎から連絡が入る。町田の遺体が発見されたという知らせだった。現場に駆け付けた捜査一課の早川誠二(マギー)と門倉駿(粗品)は、物証が何も残っていないことに不審を抱く。

この事件から64日後の未来。都内で、大規模なテロ事件が起きようとしていた。非常事態宣言が発令される中、山内と小田切も捜査に参加する。爆発物の捜索をしていた小田切は、銃声がした部屋へと突入した。するとそこには、拳銃を持った男が立ち尽くしており、その前には射殺されたと思われる女性が横たわっていた。男は井沢だった。そして、横たわっていたのは香坂で……。