レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンと長期契約を結んだことはチームの将来において非常に重要な意味を持つと語った。彼は、フェルスタッペン残留は、ホンダとの今後の契約交渉においても大きな鍵になると考えている。
レッドブル・レーシングとフェルスタッペンとの契約は2020年末までだったが、それを2023年末まで延長したことが、7日に発表された。
2020年いっぱいで契約が切れるドライバーが多数おり、中でもメルセデスのルイス・ハミルトンの動向をレッドブルは気にする必要があった。ハミルトンが2021年にフェラーリに移籍する可能性があるという噂が2019年終盤に持ち上がり、それが現実になった場合、メルセデスはフェルスタッペン獲得に動くとみられたからだ。
「フェラーリとハミルトンの間に実際何が起きているのか、推測するのは難しかった」とマルコはAuto Motor und Sportに対して語った。
「だがハミルトンが2021年にフェラーリに行くなら、メルセデスが行動を起こさなければならなくなるのは明白だ。その場合、彼らはまずマックスに狙いを定めただろう」
「そのため、(マックスを残留させることが)我々にとっては極めて重要なステップだった。これである程度確信を持って将来に目を向けることができる」
■「2022年以降の契約目指し、ホンダとの交渉を早急に進めたい」とマルコ
レッドブルがフェルスタッペンという才能あるドライバーを長期的に確保したことは、パワーユニット(PU/エンジン)サプライヤーであるホンダと2022年以降の契約交渉を行う上で重要な切り札になるともマルコは考えている。
2019年11月、2020年末までだったホンダとレッドブルおよびトロロッソとのパワーユニット契約が1年延長されることが発表された。今後、2022年以降についても交渉が進められていくことになる。
「ホンダはポジティブなメッセージを受け取ることになったと思う。マックスは彼らにとってとても重要な存在だ。彼らはマックスのアグレッシブなドライビングスタイルと率直さを非常に気に入っている」とマルコは言う。
「ホンダとの話し合いの機会は近いうちに訪れるだろう。日本に飛ぶスケジュールが確定するのを待っている」
マルコは、2020年シーズンにはメルセデスやフェラーリとF1タイトルをめぐって対等に戦えるという自信を改めて示した。
「ライバルたちがギャップを拡大するには、劇的に改善する必要があるだろう」とマルコは言う。
「マックスはホンダの状況を把握しているし、ニューマシンともすでに対面した。彼は、チーム内の継続性は重要であると考えている。結局のところ、彼と我々は、今の関係を継続したいという共通の希望を持っていたのだ」
マルコは、フェルスタッペンとの契約金については具体的なことを語っていないが、多額の年俸を支払うことで合意したと認めた。しかし彼はその出費は無駄にはならないと考えている。
「新契約は安くはなかった。だがポーカーで大きな賭けをしたという風には思っていない」