守備指標「OAA」に内野手版が登場 昨季トップはカブス・バイエズ

Statcastで計測されたデータによる守備指標として「OAA(Out Above Average)」というものがある。その名のとおり、平均的な選手と比較してどれだけ多くのアウトを取ったかを示している。過去2年間、この指標は外野手のみに限定されていたものの、ついに内野手版が公開された。+19を記録したハビアー・バイエズ(カブス)を筆頭に、ランキングの上位には球界を代表する名手たちが名を連ねている。

内野手版のOAAは【1】打球に到達するまでに必要な移動距離、【2】打球に到達するまでに要した時間、【3】走者が向かっている塁までの距離、【4】打者の平均スピード(フォースプレイの場合)という4つの項目がベースとなっている。【1】と【2】は外野手版のOAAでもベースとなる項目だが、内野手はどの塁へ送球するかでプレイの難易度が変わり、打者のスピードによってもアウトを取る難易度が大幅に変化する(打者が俊足のビリー・ハミルトンと鈍足のアルバート・プーホルスの場合を考えてみるとよい)ため、【3】と【4】も重要な項目となる。

こうして算出されたOAAで内野手トップに輝いたのは+19を記録したバイエズで、ノーラン・アレナード(ロッキーズ)が+17、アンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)とニック・アーメッド(ダイヤモンドバックス)が+16、トレバー・ストーリー(ロッキーズ)が+15、マット・チャップマン(アスレチックス)が+14で続いている。ちなみにワーストはホルヘ・ポランコ(ツインズ)とブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)の-16だ。

詳細なデータを集めているため、「三塁手として出場しているとき」「三塁手として出場しているが守備シフトによって遊撃手の位置にいるとき」「月別の推移」など、状況に合わせたOAAの算出も可能となっている。このデータはすべてデータサイト「Baseball Savant」で検索可能である。

守備防御点(DRS)で-2だったフレディ・ギャルビス(レッズ)がOAAで+12、DRSで+1だったポランコがOAAで-16を記録するなど、他の守備指標との相違も見られる。外野手限定だったOAAが内野手にも拡大されたことにより、ファンがデータを見る楽しみを増えたのではないだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.