事実上の廃止が決まった長野市の飯綱高原スキー場について、地元の観光関係者などから存続を願う声があがっていて、近く住民有志が、市に対応を検討するよう申し入れを行うことがわかりました。
きょう9日に開かれた飯綱高原観光協会の定例理事会。
(記者リポート)
「現在行われている観光協会の定例理事会では、廃止の決まったスキー場に関する話し合いもされています」
1998年の長野オリンピックの会場にもなり、長年、長野市民を中心に愛されてきた飯綱高原スキー場。
しかし、スキー人口の減少や雪不足による開業期間の縮小により、20年ほど赤字経営が続きました。市は、来シーズンからの民営化を目指しましたが、譲渡先が見つからず、今シーズン限りでの廃止が事実上決定しました。
観光協会の理事会は非公開でしたが、市の決定を受けて、「スキー場を一部でも残せないか」という意見でまとまったということです。
飯綱高原観光協会・西沢一幸代表理事:「施設としてなんとか希望があるなかで残す方法がないか模索していきたい」
観光協会は今後、市への要望なども検討していきたいとしています。
(記者リポート)
「スキー場の廃止決定を受け、住民からは存続を願う声が上がっています」
中井正明さん:
「利用者が少なくなったから赤字になったからすぐにやめてしまう、ということだけは勘弁してくれないかなと」
スキー場の近くでガソリンスタンドを営む中井正明さんは、「スキー場に関わる仕事をしている人も多く、納得できない」として住民有志で作る「永続を願う市民の会」を発足させました。
中井正明さん:
「(市街地から)これだけ近いところに雪遊びができる場所があるんだから、これをなんとか子どもたちがのびのびと雪遊びもできる施設を何らかの形で残してほしいなと。スキー場だけで生計を立てていた業者もいるわけで、そういう人たちがどうしていけばいいのか。地域として心を痛める心配が残るな」
来週中には、市に対応の検討を求める要望書を提出することにしています。
一方、市は再公募などはしない方針で、長野市の加藤市長は「雪がないという状況下では営業できない」として存続を検討することに否定的な見方を示しました。
長野市・加藤久雄市長:
「雪がないという状況の中で、時代の気候変動の中で方向転換していくべき。長野五輪の遺産は何らかの形で大切にする対応はしていきたい」