社説(1/10):インターハイの危機/資金難への支援を広げたい

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 高校生のスポーツの祭典、全国高校総体(インターハイ)がピンチだ。ことしの開催地は北関東だが、東京五輪・パラリンピック決定の影響で広域開催となり、大会経費の不足に苦しんでいる。クラウドファンディング(CF)などにも取り組むが、目標額に及ばない。支援の手をもっと広げたい。

 1963年に始まったインターハイは現在、夏季30競技が7月下旬から8月中旬を主会期に集中開催され、全国約6000校、選手、監督、役員ら3万6000人余が集う。部活に励む多くの高校生が目標とする最大の舞台だ。

 国体が都道府県単位での開催なのに対し、インターハイは2004年度から全国を9地域に分け、ブロックでの持ち回り開催が原則となった。20年度は群馬県を主会場に茨城、栃木、埼玉の北関東4県で開催することが、12年度までには固まっていた。

 13年9月、東京五輪開催が決定。会場が近隣で日程が重なり、延べ20万泊必要とされる選手、関係者の宿泊施設確保が難しくなった。開催地変更の話は出たがまとまらず、東北から九州まで21府県での分散開催が決まった。

 東北では青森県で相撲、岩手県では卓球、ハンドボール、ボクシングの3競技、山形県で体操が行われる。

 主会期も、五輪閉会式の翌日となる8月10日からパラリンピック開会式前日の24日までで、開会式は会期後半の18日という変則日程となった。

 最大の問題は経費。例年は15億円ほどで従来、開催自治体が7割程度を負担してきたが、新たに開催を引き受けてもらった自治体に、財政負担まで強いることは難しい。

 全国高等学校体育連盟(全国高体連)は16年度、当初の4県分以外の経費に相当する7億円を目標に基金を設けたものの、昨年末現在の寄付額は6200万円弱。1割にも満たない。

 関心を高めようと、7月には基金とは別にCFを実施したが、3カ月で4000万円の目標に対し、920万円という結果だった。

 全国高体連の西塚春義事務局長は基本財産や各競技専門部のプール金まで切り崩して対応する方針を明かし、「1競技でも中止にするわけにはいかない。経費を圧縮し、規模を縮小しても必ず開催する」と話す。今後、競技別のCFなども検討中だという。

 一方で、「困っていることが高校の運動部員や保護者らにさえ認識されていない例がある。もっと知ってほしい」と一層の支援を訴えている。

 五輪に出場する日本代表の選手には、インターハイを目指す部活を通して成長した選手も多い。競技以外でも、大会運営に地元の高校生が主体的にかかわるなどの活動も続いてきた。

 高校生アスリートの晴れの舞台を、五輪に負けずみんなで盛り上げていきたい。