F1、開幕戦に向けてオーストラリア森林火災の状況を注視。メルボルンで深刻な大気汚染

 F1とオーストラリアGP主催者は、2019年に発生した大規模な森林火災がいまだ収束しないなか、メルボルンでのF1開幕戦オーストラリアGPが危険に見舞われる可能性を調査している。

 数カ月前に発生したオーストラリアの森林火災は、12月末には制御不能となり、主にニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、サウスオーストラリア州で土地、家屋、野生生物に被害を与え、これまでに25人の死者を出したと伝えられている。

 森林火災の被災地は大きく拡大している。キャンベラは現在、大気質が世界でも最悪の状態となっており、ビクトリア州の州都であるメルボルンでも大気汚染が深刻化している。

 今週初めの同市の大気の質は「悪い」レベルにあり、週末に近づくにつれて「非常に悪い」レベルに達するものとみられている。野外イベントの主催者は、キャンセルや延期を検討しており、20日に開幕するテニスの全豪オープンの主催者も状況を注意深く監視している。

 オーストラリアGP開催は約2カ月先の3月15日だが、フォーミュラワン・グループとレース主催者は環境の変化を追跡しており、2020年開幕戦が危険に見舞われる可能性があるかどうかを見極めようとしている。

 一方F1は、オーストラリアの様々な救援活動に向けて資金を集めるための一連の取り組みを始めるという。

 オーストラリア出身のダニエル・リカルドは、オーストラリアGPの週末に着用するレーシングスーツを販売し、すべての収益を森林火災の被害者に寄付することを発表した。

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