【やまぐち深発見紀行】 No.175「徳地・旧暦1月11日に奉納『刀祢の獅子舞』」

 徳地柚木地域では、旧暦1月11日に秋葉神社から出発した獅子舞が各家や小学校をまわる。発祥の由来には、白狐伝説がある。

 昔、狩猟を好む刀祢村の庄屋が仕掛けた罠に、白狐がかかって死んだ。夜に狐火の行列が見られた数日後、火の手が上がり、村の約8割が焼失。村内にある秋葉神社の大杉にも火が移った。困った村民が、刀祢村の在家が三軒になるまで獅子舞を奉納すると鎮火祈祷の誓いを立てると、消火したという。

 以来、火の消えた旧暦1月11日を祭日と定めた。毎年、同神社で神事を行った後、各家(現在は、刀迫、大内谷、中野の3地域19戸と柚木小学校)を獅子舞がまわっている。

 2020年の旧暦1月11日は2月4日(火)。2020年も約束の獅子舞が奉納される。

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