モンゴル首相「26年前のホストファミリーとの約束果たしたい」青森・五戸の滞在先判明

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フレルスフ氏が持っていた当時の写真。高村さんの自宅で撮られたもので、中央にいるのが同氏。膝に座っているのが智美さん。後列右端が高村さん
フレルスフ氏(左)と智美さんが仲良く納まった写真。パーティーの際に撮影されたとみられる(高村さん提供)

 1994年夏にモンゴルからの訪日団の一員として青森県を訪れた男性が、日本の外務省に人探しを依頼した。「ホームステイ先の女の子を探している。大きくなったらモンゴルに招待するという約束を果たしたい」。この男性は現職のモンゴル首相オフナー・フレルスフ氏(51)。同省が調べた結果、滞在先は五戸町(旧倉石村)の高村実俊(みとし)さん(62)方だったと分かった。10日、駐日特命全権大使が青森市を訪れ、高村さんに同氏のメッセージを手渡す。

 外務省などによると、当時26歳だったフレルスフ氏は8月から9月にかけて、アジア・太平洋諸国の青年と交流を深めるための国際協力事業団(当時)の「21世紀のための友情計画」の一環で来日した。その中で青森県に1週間ほど滞在し、県庁訪問や八戸市でのモンゴル生活体験イベントなどを行った。ホストファミリー宅には2泊した。

 フレルスフ氏は滞在中、自分の娘と同じ年ごろの8歳だった高村さんの次女智美さん(33)をとてもかわいがり「将来モンゴルに招待するから」と約束。高村さんの家で過ごしたことを「言葉は分からなかったけど、とても楽しかった」と振り返っているという。

 フレルスフ氏は昨年、天皇陛下の即位礼正殿の儀に参列するため来日。その際、外務省職員にホストファミリー探しを頼んだ。滞在先の家族の名前などは忘れてしまい、手がかりは当時の写真だけだった。

 モンゴル帰国後、フレルスフ氏側は数度、外務省に見つかったかどうかを確認。在モンゴル日本大使が離任する際にも、同氏は写真を示して「なんとか探してくれ」と頼み込んだほどだった。

 その後、外務省は当時の関係機関から資料を取り寄せ昨年11月下旬、滞在先が旧倉石村の高村さん宅だったと割り出し、フレルスフ氏側に伝えた。

 フレルスフ氏の思いを伝え聞いた高村さんは、取材に対し当時を懐かしみ「初めて会ったとは思えないほど家族にとけ込んでいた。いろいろな人をホームステイで受け入れてきたが、とても記憶に残っている人」と語った。

 首相となったことには「出世すると思ったが、まさか首相になるとは」と驚いた様子。モンゴルに招待するという約束をしたか記憶はあいまいだが「家族みんな会いたい気持ち。とても光栄」と喜んでいる。