消えた「2010年の最優秀若手賞候補」たち、11名

ついに迎えた2020年。サッカー界の時の流れは早く、10年前はもはや歴史上の出来事のようだ。

今回は2010年の夏に選出された欧州ゴールデンボーイ(最優秀若手賞)の候補たちの中から、上手く育たなかった11名をご紹介する。

アンドレ・バラダ

当時の所属:サントス

現在の所属:グレミオ

19歳でデビューし、いきなり15試合で7ゴールを決めたアンドレ・バラダ。9番を与えられ、ブラジル代表にもデビューするなどまさに「輝かしい新星」であった。

しかし2010年に移籍したディナモ・キエフで活躍できず。2011年にブラジルへ戻ってからは復調したが、スポルティング・リスボンでの欧州再挑戦も失敗している。現在はグレミオでプレーしており、国内では常にそこそこの活躍はしているが、かつての期待を考えると…。

ベベ

当時の所属:マンチェスター・ユナイテッド

現在の所属:ラージョ(2部)

孤児院で育ち、プレーこそしていないもののホームレス・ワールドカップにも招待されたという経験を持つベベ。エストレラ・アマドラでデビューし、1年後にクラブが破産したためにヴィトーリア・ギマランエスに引き抜かれ、直後にマンチェスター・ユナイテッドに買われるというスゴイキャリアが話題になった。

だがオールド・トラッフォードではサッパリ活躍できず、ローン移籍を繰り返したあとでベンフィカに放出された。その後もスペインへ貸し出され、コルドバ、エイバル、ラージョと渡り歩いている。

ネイザン・デルフォンソ

当時の所属:アストン・ヴィラ

現在の所属:ブラックプール(3部)

アストン・ヴィラの下部組織で育成され、16歳でリザーブチームにデビュー。17歳でプロ契約を結び、そのスタイルも相まって「NEXTティエリ・アンリ」と期待された。人気ゲーム「フットボールマネージャー」では世界屈指の選手に育つ存在だった。

17歳と195日でUEFAカップで起用され、クラブの最年少出場記録を更新。しかしここから期待通りの活躍はできず、ローンを繰り返した後でブラックプールへと完全移籍した。

マッティア・デストロ

当時の所属:ジェノア

現在の所属:ジェノア

インテルのプリマヴェーラで育成され、2010年にジェノアへ移籍してすぐにセリエAデビューを果たしたイタリアの天才。ユース代表では常に主力となり、「フットボールマネージャー」では世界最高のポテンシャルを持つ選手として人気だった。

2013年にはローマに引き抜かれ、ミランにも貸し出されるなど好調なパフォーマンスを見せ、さらにイタリア代表にもデビュー。ただ2015年にはボローニャへと移籍し、この数年間は調子をかなり落としている。

ガエル・カクタ

当時の所属:チェルシー

現在の所属:アミアン

RCランスから彼を引き抜く時、チェルシーは後にFIFAから罰則を受けるほどの接触を行った。その期待に応えるようにカクタはユース年代で輝かしい成績を収め、「最高のドリブラーになる」と高い評価を受けた。

ただ、チェルシーではさまざまなクラブに貸し出される立場になり、その修行先で今ひとつインパクトを残せず。2015年に移籍したセビージャでも出場機会は与えられず、若くして中国へと渡っている。その後欧州へと戻り、現在はアミアンに所属。

フェデリコ・マケダ

当時の所属:マンチェスター・ユナイテッド

現在の所属:パナシナイコス

「消えた天才」というテーマが与えられれば、間違いなく名前が出てくるであろうマケダ。マンチェスター・ユナイテッドで突如出番を与えられ、突如重要なゴールを奪った。その時には世界最高クラスの若手が出てきたと大きな話題を集めた。

しかしそれを頂点としてキャリアは急下降し、ローン移籍を繰り返しつつも結果を残せず、長くくすぶり続けた。2018年に加入したパナシナイコスでようやく復活の兆しを見せているのだが…それでも当時のインパクトを考えれば、あまりにも寂しい現状ではある。

フラン・メリダ

当時の所属:アーセナル

現在の所属:オサスナ

バルセロナの下部組織で育成されたが、15歳でアーセナルに加入。まさにセスク・ファブレガスのようなキャリアを歩み、17歳でプロデビューを果たした天才MFであった。

ところが結局アーセナルでは公式戦16試合しか出場することができず、2010年にアトレティコ・マドリーへ移籍。そこでも出場機会は乏しく、その後はブラガ、エルクレス、アトレチコ・パラナエンセ、ウエスカを経てオサスナに流れ着いた。現在は第三キャプテンを任されている。

ソティリス・ニニス

当時の所属:パナシナイコス

現在の所属:ハポエル・アシュケロン

パナシナイコスで若くしてインパクトを残し「ギリシャのメッシ」と呼ばれた超絶テクニシャン。18歳でフル代表にデビューし、将来は約束されたタレントだと思われた。

ただセリエAのパルマでの挑戦は失敗に終わり、完全に調子を崩してしまった。ベルギーでも成功できず、2017年からはイスラエルリーグでずっとプレーしている。

ダニ・パチェコ

当時の所属:リヴァプール

現在の所属:マラガ(2部)

バルセロナの下部組織で育成された後、16歳でリヴァプールに加入。エキサイティングな攻撃的MFとして注目され、スペインのユース代表では重要な選手として活躍を見せた。

ただその才能はなかなか開花せず、アトレティコ・マドリー、ラージョ、ウエスカへのローン移籍を経て退団。アルコルコンやベティス、アラベス、ヘタフェと渡り歩き、2018年からは少年時代に所属したマラガでプレー。

マルクス・ペデルセン

当時の所属:フィテッセ

現在の所属:無所属

ノルウェーリーグでは19歳で16ゴールを決める活躍を見せ、大きな注目を集めたストライカー。2010年夏にフィテッセへと引き抜かれた。

ただオランダでは怪我に悩まされたこともあって出場機会が乏しくなり、ヴァレレンガやオーデンセ、バーンズリーなどに貸し出され、2014年に帰国を決断。ブランを経てストレムスゴッセでプレーしたが、昨年契約満了で無所属になっている。

エマニュエル・リヴィエール

当時の所属:サンテティエンヌ

現在の所属:コゼンツァ(2部)

2008年にサンテティエンヌの下部組織から昇格し、20歳でレギュラーを獲得したフィジカルモンスター。強烈なスピードとパワフルなシュートを武器にインパクトあるプレーを見せつけた。

その後トゥールーズ、モナコでもそこそこの活躍は見せたが、2014年に移籍したニューカッスルで失敗に終わり、2年で1ゴールしか奪えず。オサスナへのローンを経てメスに完全移籍し、今季はイタリア2部のコゼンツァに加入している。

© 株式会社ファッションニュース通信社