成人式

 微妙によその土地のイントネーションが混ざった誰かの長崎弁がいい。えっ、本当に○○さん? と問いたくなるような誰かの華麗な変身がいい。ひと足早く社会に出て、働く喜びと厳しさを知った誰かが同級生相手に吹かせる“先輩風”もいい▲昔と違って、学校を出た後もケータイでつながっているのかもしれない。とはいえ、やっぱり久々の再会。20歳のみんながお互いの“今”を持ち寄って、近況報告に色とりどりの花が咲くはずだ。きょうは長崎、佐世保両市など8市町で成人式▲今年の新成人は「ノストラダムスの大予言」の1999年から翌年3月までに生まれた皆さん。幸い、人類は滅亡することなく、どうにか2020年を迎えている▲「成人の日」はハッピーマンデー法で、1月の第2月曜と決まっているが、成人式を1日前の日曜日に設定する自治体は全国的にも多いと聞く。「月曜日の休みを『移動日』にして、帰っておいでよ」のメッセージでもあるのだろう▲成人年齢の引き下げに伴い、成人式の対象年齢を巡る議論が今後、本格化しそうだが「高校を出て2年目の冬」のタイミングは絶妙に思える。「20歳で」に筆者も1票▲仲間と再会を喜び合い、成長を確かめ合って次の一歩へ。そんな一日になるといい。おめでとうございます。(智)

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