自治体庁舎の非常用電源 72時間以上稼働可能は約半数 長崎県内

 長崎県内21市町のうち、庁舎に設けた非常用電源が災害時の人命救助で重要とされる72時間以上稼働できるのは、約半数の11市町にとどまることが総務省消防庁の集計で分かった。災害による長時間の停電が全国で相次いでおり、同庁などは外部から燃料の供給が途絶えても72時間は非常用電源が稼働できるよう、対策を呼び掛けている。
 同庁の集計によると、非常用電源は県内19市町で設置済み。政府が望ましいとする72時間以上稼働可能なのは長崎、諫早、大村、松浦、壱岐、雲仙、南島原の7市と、西彼長与、東彼東彼杵、北松佐々、新上五島の4町。県も対応済み。稼働時間が48時間以上72時間未満の佐世保市も「県石油商業組合と災害協定を結んでおり、72時間に対応できる」とする。
 一方で、非常用電源が未設置の対馬市は「老朽化している市役所本庁舎を改修するかどうかの方針が固まっておらず、現段階で設置に至っていない」と説明。東彼川棚町は「来年度末に完成予定の新庁舎に設置する計画」とした。
 県は昨年の台風15号で千葉県を中心に停電が長期化したことなどを挙げ「それぞれの庁舎に72時間以上稼働できる非常用電源があるのが望ましい。財政支援制度の活用などを各市町に働き掛けたい」としている。

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