【MLB】大谷翔平の獲得失敗を教訓に… 秋山争奪戦を制したレッズ首脳「1番目に動いたことが…」

レッズ・秋山翔吾【写真:Getty Images】

レッズ編成本部長が地元ラジオ番組に出演、秋山獲得までの経緯などを明かす

 西武から海外FA権を行使してメジャー移籍を目指していた秋山翔吾外野手は3年2100万ドル(約23億円)でレッズと契約を結んだ。レッズのディック・ウィリアムズ編成本部長は地元シンシナティのラジオ局「700WLW」に出演し、秋山獲得の理由、契約に至るまでの経緯などを語っている。番組は秋山の入団会見翌日の1月10日に収録されたようだ。

 番組では司会のランス・マカリスター氏が、レッズが数年前からアジア市場に注力してきたことを指摘。するとウィリアムズ氏はこう答えた。

「ここ数年間取り組んできたこと、環太平洋地域で存在感を高めること、それがいつ実を結ぶかは分かりませんでしたが、今回のことは間違いなく投資への大きな見返りとなりました」と強調。「数年前にポスティング制度が変更となり、金額も変わりました。我々は大きなマーケットの球団ではないため、選手獲得のためには、どの場所も見過ごせないことは分かっていました」と、ここ数年間取り組んできたことが実を結んだと語った。

 マカリスター氏は次に、レッズが一番最初に秋山側に資料を送り、面談し、オファーしたと指摘したところ、ウィリアムズ氏はこう答えている。

「すぐに動き、誠意を尽くすことが重要だということは、ショウヘイ・オオタニの時に学びました。求められていると感じたいということは多くの選手に見られますが、特に日本の文化では、1番目に動いたことが大きく評価してもらえます」。

 レッズは2017年オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指したエンゼルス大谷翔平投手争奪戦に参戦も、実際に交渉の席に着くことはなかった。その反省を生かし、今回は迅速に動いたことを明かした。

「だからアグレッシブに動き、彼がまだ日本にいる時に代理人を通して資料を送りました。面談の機会を本当に楽しみにしていました。そこでお互いを理解し合うことができます。我々のビジョンをうまく伝えられたと思います。チームの方向性、彼がどのようにフィットするか、シンシナティでの生活などについて話し、彼は熱心に聞いてくれました。いい感触を得ました」

一番最初に行った秋山との面談には監督、GMら4人が出席して熱意を示した

 さらにウィリアムズ氏は、こう振り返る。

「サンディエゴでのウインターミーティングでは、代理人から面談前日に連絡を受け、1番最初に面談したいかと聞かれました。多くの球団が彼と面談するが、資料を最初に送付するなど、現時点までの行動により、最初に面談することを選ぶ権利を与えます、と言われました。すぐにその機会に飛びつきました」

 そして面談の様子を語った。
  
「翌朝、デビッド(ベル監督)、ニック(クラールGM)、ロブ・フィドラー(環太平洋地域スカウティング部門長)と私は、1時間半ほど彼と話しました。ショウゴとの面談では、資料で説明し、街や施設の写真を見せ、我々が彼がレッズに来た方がいいと思う理由について多く話しました。代理人が仕切っていたわけではないので、自由に話せました。我々がどれほど彼を必要としているかということを伝える機会となりました」

 熱意が実って秋山と契約合意。マカリスター氏が「どのように通用すると見ていますか?」と問うと、ウィリアムズ氏は自信を持って答えた。

「NPBとMLBはレベルが違いますが、多くのことが通用すると思います。直観、リアクションタイム、守備、打席でのアプローチ、辛抱強さ。彼はそうしたものを持っていて、長い実績があり、通用すると思います。5年連続で143試合に出場し、3年連続でポストシーズンに進出しました。彼の安定性を示しています」

 西武で安定して成績を残し続けた秋山。レッズ首脳はMLBでも同じようなパフォーマンスを発揮できると確信しているようだ。(Full-Count編集部)

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