小野瀬康介の残留によって、ガンバ大阪に起こりそうな4つのこと

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フットボーラーとして「替えの利かない選手」と形容される以上に嬉しいことはない。

今回はそんな替えの利かない選手について触れたい。彼の名は小野瀬康介。ガンバ大阪、宮本恒靖監督の下で大きな飛躍を遂げ、チームの原動力になるサイドアタッカーだ。その成長は未だ衰えを知らない。

もちろん彼には強豪からのオファーが届いた。昨年末、J1優勝を果たした横浜F・マリノスからのラブコールはガンバ大阪を揺るがせることになる。マリノスにとってチームの底上げやアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のために選手補強は必須だった。

実際、小野瀬自身はこの移籍話に深く悩んだとのこと。結果的に松波正信強化部長、宮本監督からの熱意溢れた引き止めや、宇佐美貴史といった同じチームメイトから「一緒にプレーしたい」という想いに残留を決めた。

さて確固たる覚悟でガンバ大阪に残留を決断した小野瀬だが、この残留は当たり前だがガンバにとって大きな意味をもたらすことになる。戦力ダウンを瀬戸際で防いだだけでなく、2020シーズンチームのさらなるステップを期待できるだろう。ここからは小野瀬の残留によってガンバ大阪に起こりそうなことをご紹介したい。

小野瀬康介 写真提供: Gettyimages

◆既存のシステムでパワーアップ

ガンバ大阪は昨シーズンから相手チームによってフォーメーションを3-5-2と4-4-2のどちらかで戦うことが多かったが、小野瀬の残留によりこのシステムは継続可能となった。単に右サイドラインが主戦場としているわけではなく戦況に応じて中央に侵入することができる彼の勇敢さは、マルケル・スサエタには持ち合わせていなかった。

◆2トップに新境地

前述した小野瀬の中央適性は前線にも好影響をもたらす。ガンバ大阪には様々なタイプのフォワードを揃えている。デュエルに強いアデミウソン、ゲームメイクも可能な宇佐美貴史、献身的な動きができる渡邉千真などどれもも個性的な選手だ。そんな中でも引けを取らない決定力を誇る小野瀬は2トップでの起用でも十分に応えることができるかもしれない。第30節の川崎フロンターレ戦では渡邉と縦関係の2トップで出場したこともあり現実味がある。

アデミウソン 写真提供: Gettyimages

◆新システムの可能性も

小野瀬の前線でのプレーにはどのチームも注意しなければならない。その定義がもし揺るがないのなら、いっそのこと彼を常に前線に張ってもいいのではないかと私は考える。私は新たに4-3-3という戦術オプションを提唱したい。右ウイングに小野瀬、センターフォワードにアデミウソン、左ウイングに宇佐美貴史。少し強引にも見えてしまうが、この3トップにすることで今のガンバ大阪に足りないものを補うことができると考えている。

1つ目はカウンター時のメリットである。従来のアデミウソンと宇佐美の2人によるカウンターに小野瀬が加わることで得点機会を増やすことができるということ。もう1つはディフェンス時のメリットで、いつまでもコンセプトの見られない前線からの守備を明確化することができるということだ。ガンバ大阪が昨シーズン慢性的な守備のほころびは、2トップによる前線からの守備が不明瞭だったことが要因であり容易にファイナルサードまで侵入されてしまった。ここに小野瀬を加えた3人で守備を行うことで前線からのプレスが明確になることは間違いないだろう。

オ・ジェソク 写真提供: Gettyimages

◆オ・ジェソクの新たな起用法

2019シーズン後半はFC東京にレンタル移籍を果たし、再びガンバ大阪へ帰還したオ・ジェソクにも新たな起用法を期待してもいいかもしれない。フォーメーションが4-4-2の場合には問題はないが、3-5-2になった場合に小野瀬とポジションが重複する。どちらか選手をベンチに置くのはかなり勿体ない。

オ・ジェソクはフィジカルに長けた数少ない選手であり、球際に積極性がある知性を備え持つディフェンダーである。この能力を活かし彼をセンターバックで起用するのはいかがだろうか。

ある意味セサル・アスピリクエタのような立ち回りが可能になれば、厚みのある戦術変化をガンバ大阪にもたらすことができるだろう。