奉行所寸劇8000回 長崎歴史文化博物館 本山座長「毎日発見ある」

8千回目の寸劇を披露する本山座長(左から5人目)ら=長崎歴史文化博物館

 長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で江戸時代の長崎奉行の裁きを芝居にして上演している「奉行所御白洲(おしらす)寸劇」が13日、8千回を突破した。ボランティア劇団「長崎奉行所芝居組」を率いる本山善彦座長(78)は「観客が変わると反応が違い、毎日違う楽しみや発見がある。これからも長崎の歴史を伝えていきたい」と意欲を語った。
 寸劇は2005年の開館から土日祝日などに1日4回上演。同館が所蔵する長崎奉行所の記録「犯科帳」(国指定重要文化財)に記された事件を約20分の芝居にして、50~80代の団員12人が演じている。作品は「イカルス号事件」「シーボルト事件」など19ある。
 この日は貿易品の検品を題材にした「大改(おおあらため)」を記念公演。本山座長演じる長崎奉行が、唐船から持ち込まれたサンゴや象牙などを検品しながら、布教が禁じられたキリスト教の書物がないかチェックする様子を唐人や商人役の団員とともにユーモラスに演じた。
 芝居の最後は観客も参加して「一件落着」の掛け声で締めくくった。研修旅行で訪れたパプアニューギニアの大学2年生、イプレイム・デンバーさん(20)は「日本文化に触れることができて興奮した」と満喫した様子だった。
 記念公演を終えた本山座長は「途中で病気をして、ここまで届くとは思っていなかった。1万回を目指して頑張りたい」と語った。

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