トレセンって何のこと? トレセンコーチ、指導者20名にインタビュー みんなのトレセンシリーズ

お子さんが4年生になったころからちらほら聞く「トレセン」という言葉はいったい何のことでしょう。

トレセンとはなんのことで、何を目指すのか。何のためにあるのか。また、全国各地の指導者たちはトレセンをどうとらえ、どのように指導しているのか。

ジュニアサッカーNEWSでは全国各地の指導者(コーチ)・監督・トレセンスタッフの方々に電話インタビューを行いました。※2019/6/12現在 20名

今まで突っ込まれてこなかったトレセンのことをお伝えしていこうと思います。

また、この記事に関しまして全国のチームコーチ、トレセンコーチからコメントをいただいております。その中に「トレセンというものをしっかり伝えるため、メディアとして公正な立場で記載をお願いします」というご意見がありました。さまざまなコーチ・指導者のご意見を公正に伝えられるよう、たくさんの声を参考にしたいと思っています。追加でインタビューを受けてくださる方がいらっしゃいましたらこちらからご連絡をお待ちしています。

※下記の意見は、サッカー協会の示す公式な見解ではありません。
あくまでも一つの意見として参考にしてください。
また、サッカー協会へのお問い合わせ等はお控えください。

ぜひご覧になって、「トレセンって何なのか、どう使えばいいか」を一緒に考えてみませんか?

もちろん、合格するためにできる練習は、サッカー選手としてうまくなるために欠かせない練習ばかり。トレセンに興味がなくても、実際の実力アップに役立つピンポイントな指摘もうかがいました。

トレセンとは何の略?

トレセンとは「トレーニングセンター」の略です。ある施設(トレーニングセンター)に選抜されたメンバーが集まって練習をすることから、「トレーニングセンターに召集されたメンバーのこと」と転用されています。

トレーニングセンターで行うトレーニングをするために召集されたメンバーのこと、これを「トレセン」と言います。(地方によってTCと略します)

もちろん、本格的なトレーニングセンターがあるのはナショトレやFFPクラスになりますが、サッカーは草の根レベルから良い選手を育てようということで、

ナショトレ(ナショナルトレセン)
県トレ(県トレセン)
地区トレ(地区トレセン)
この下に支部トレセン、〇〇市トレセン、〇区トレセンなど幅広くトレセン区分が存在しています。

トレセンにはどうやって入るの?

多くの地域では選考会があります。例えば

〇区トレセン
〇市トレセン
〇支部トレセン
〇県トレセン

と区分のある県の場合、

〇区トレセン=例)希望者はだれでも選考会を受けられる。合格者60名。

〇市トレセン=例)〇区トレセンで活動している選手のうち、トレセンスタッフが特に推薦した10名がほかの9つの区トレセンから集まった90名と一緒に選考会を受ける。合格者30名。

〇支部トレセン=例)〇市トレセンで活動している選手30名が、ほかの市トレセンの選手ら150名と一緒に選考会を受ける。合格者25名。

…のように、どんどん絞られていきます。県トレセンクラスになると、またその中から選抜されてFFPやナショトレ、地域トレセンなどに行く選手たちがいます。

大きな目で見ると、日本代表につながるための第一歩ということができるでしょう(日本代表への道はトレセンだけというわけではありません)。

トレセンは何をするところ?

トレセンのメインは「トレーニングセンターで行うトレーニング」です。

トレーニングをするために集められるところなので、そこに行く資格を得たから終わり、なのではありません。

トレセンでは明確に「やること」が決まっています。

参照サイト:JFA(2016年度ナショナルトレセンU-14)

これら一つ一つを伝えるために、例えばポゼッションなら

参照サイト:JFA(2016年度ナショナルトレセンU-14)

上記のようにひとつひとつ細かく習得することが決められ、トレーニングメニューに落とし込まれています。JFAの目指す「日本が世界に通用するサッカー」に選手を近づけていく試み、良い選手をこれらの中から発掘しようとする意気込みが「トレセン」であると考えられています。

トレセンは何のためにやるの?

大きく2つあります。実際の指導者の声と一緒にご紹介します。

目的1・天井効果を取り払うため

指導者
Oトレセンは天井効果を防ぐ目的がある。うまい子を集めて高いレベルでやることによって天井効果を防げる。

指導者S
子どもたちにとっては、レベルの高い子が集まる中で、うまい技術をまねしたりするチャンスがもらえる。指導者に関係なく、仲間とプレーする中で伸びるチャンスがもらえる。それが良いところ。

天井効果とは、チームの中でうまい子にはそれ以上のプレーができなくなってしまう(天井より高く飛躍できなくなってしまう)という現象のことです。

うまい子だけを集めて、もっと高いレベルのことを教えることによって、その選手が持っている能力をもっと引き出そうというのがトレセンの狙いです。

目的2・広い世界を選手に見せる

支部トレ、県トレ…とどんどん幅を広げていくと、県大会に出場したことがないチームの選手でも他県の選手と試合をすることができたりします。もちろん、全国レベルでさまざまな選手と試合をするチャンスにも恵まれます。

天井効果に似ていますが、もっと広い世界でサッカーを楽しむことによって、チームの枠にとらわれないのびのびした選手を育てるという目的もあるようです。

トレセンについて深掘りしてみた!

そこで、トレセン制度についてジュニアサッカーNEWSでは、全国各地の指導者・トレセンスタッフに「トレセンってほんとのところ、どうなんですか?そして、何なんですか?」と聞いてみました。

すると。

指導者K
トレセンのメリットデメリットを保護者は理解しているのか?サッカーはチームプレー。そこをフィルターにして個人のレベルを上げていく。自分だけ良ければいいから、トレセンに行ければそれでいいとか言うのはおかしくない?

指導者M
トレセンは利用するもの 、 自分たちの指導のためにチームに伝えなければならないもの。「~選抜」の名前が独り歩きして、勘違いしている人が増えている。

指導者G
環境を与えてあげる場としてのトレセン。ブランド化してしまうと違うと思う。 

などをはじめとして、様々なご意見を山のようにいただきました。

最後に

トレセンはとても役立つ制度。でも、これを本当に日本代表が強くなるための手段にするのには、どうしたらいいか?これ、おかしくないか?こうなったらもっといいのに!という熱いコーチたちのインタビューを聞き、地域の頑張っているコーチたちの思いに打たれています。

ぜひ保護者の皆さんも、指導者の皆さんも、一緒に考えようではありませんか。

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