令和二年新春対談(2)

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■「笑い」について
堀口:次は、お正月ですし、「笑い」についてお聞きしたいと思います。これまで、たくさんの「笑い」を見てこられた松倉会長にとって、「笑い」とはどのようなものでしょうか。

松倉:「笑い」は健康への影響が一番大きい、人間にとって本当に必要なことなんです。ですから、私は1日1回大きな声で笑うようにしています。「笑い」を求めることで、皆さんも健康になっていただけたら、こんなに嬉しいことはないです。

堀口:区長はいかがでしょうか?

区長:社会全体で高齢者人口の増加が予想されるなか、台東区は健康長寿社会を目指していますが、「笑いは人に活力を与える。」と会長が言われるように、健康に良い影響を与えます。区でも、お笑い芸人さんによる演芸で笑い、専門スタッフによる軽い運動を行うことで身体の元気力を高める「笑って元気教室」を実施しています。また、「区民が笑顔で安心して暮らせるまち」になっていくことは大切だと思っています。日頃から地域でコミュニケーションを取り合い、まちに「笑い」があふれれば、まちの雰囲気も良くなり、皆が笑顔で、明るく元気になると思います。「笑い」にはそんな力もあるのではないでしょうか。

堀口:近頃、地域でのコミュニケーションが不足していると言われていますが、「笑い」「笑顔」があることは、大切ですよね。

松倉:大切です。今でもその「笑い」を求めて、浅草へ笑いに皆さんやってきます。東洋館にくるお客さんも「おい、笑いに来たよ!」なんて言うわけですから、私も「どうぞ!大いに笑っていってください!」といつも言っているんです。

堀口:松倉会長は、これまで生の舞台を見てこられました。浅草における舞台の良さはどのようなものがありますか?

松倉:芸人は、お客さんが育てるんです。「おもしろくない!引っ込め!」なんて言葉が平気で飛んできますが、浅草以外でこんなことはありません。芸人も「引っ込めとは何事だ。こっちも一生懸命やっているんだから、お客さんも一生懸命聞いてくれ。」と返すわけです。こういう「反応」が浅草の良さであり、魅力だと思います。

堀口:その生の笑いを一目見ようと、浅草は、毎年元旦から大変賑わっていますよね。会長は、毎年お正月をどのように過ごされているのですか?

松倉:正月は寝る間も惜しんで現場に出ます。一日くたくたになるけど、お客さんの笑いによってその疲れが吹っ飛んじゃいます。浅草に来てくれるお客さんは、よく笑ってくれるし、それが本当にありがたいことなんです。笑いで正月が明けるという、これがなんとも言えませんな。

■浅草の魅力、区の魅力について
堀口:区長は、浅草の魅力について、どのようにお考えでしょうか。

区長:浅草流鏑馬や、三社祭、隅田川花火大会、桜橋花まつりなど、一年を通して浅草ではさまざまなイベントが開催されています。おかげさまで、国内外の多くの方に訪れていただき、いつでもまちに活気があふれていることは、浅草の魅力だと思います。また、常に浅草の繁栄とともにあった隅田川も、大きな魅力だと思っています。
昨年、「隅田川の水辺空間史」をテーマに、講演会を開催しました。その中で、隅田川の地理的な面での特徴や、多様な機能・役割を持っていることなどについてお話をいただき、改めて隅田川の素晴らしさを実感しました。

堀口:続いて松倉会長にお伺いします。「浅草六区」はこれまで多くのコメディアンを輩出していますが、六区を含めた浅草はどのようなまちでしょうか?

松倉:浅草六区は伝統的に「笑い」のまちです。かつて、六区に芝居小屋が移ってきて、一時は劇場が33軒並ぶほどだったんです。その中で、大勢の素晴らしい芸人が生まれ、それを今の芸人が受け継ぎ、今の六区の笑いに繋げていると思っています。

堀口:現在、区ではこちらの地域において何か事業を進めていますか?

区長:平成28年には、浅草六区の復活を目指すプロジェクトとして、「浅草六区ブロードウェイ」の道路空間を活用した社会実験が、地元の商店街振興組合によって行われ、区も協力しました。昨年9月には、まちの皆様の多大な努力の結果、「国家戦略特区」の認定事業として了承され、通りでのオープンカフェの設置や、各種イベントの実施が可能となりました。この認定をきっかけに、浅草六区が更に盛り上がっていくことを期待しています。

松倉:ありがたいことです。区長さんにもお力添えをいただいて、浅草がさらに繁栄していくことができればと思っています。

区長:堀口さんはどうですか?

堀口:浅草は今も、歴史や文化など、色々なものが詰まったまちで、どこを取っても魅力的です。江戸時代にも「浅草に行けばなにかおもしろいことがある」と思われていて、その伝統が現代にも引き継がれているのは、すごいことです。まちの中に歴史と文化が息づいているということは、浅草に限らず台東区全体の大きな魅力の一つになっていると思います。

区長:そうですね。先人たちによって築き上げられた、多彩で粋な文化は、区民の誇りであり、このまちを成長・発展させてきた力の源であると思っています。これからも、文化の力を最大限に活かして、まちの魅力と活力を向上させていきたいと考えていますので、松倉会長には今後ともお力添えをいただければと思っています。

松倉:こちらこそ、よろしくお願いします。