元巡査、起訴内容認める 高齢者のカードすり替え窃盗「スロット好きで借金かさみ…」

横浜地裁

 高齢者からキャッシュカードをすり替えて盗む特殊詐欺事件に関与したとして、窃盗の罪に問われた県警第1交通機動隊の元巡査の男の被告(24)=横浜市南区六ツ川=の初公判が14日、横浜地裁(吉田勝栄裁判官)であった。被告は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、「被告は消費者金融などで借金がかさんで金銭面に困ったため、会員制交流サイト(SNS)を介して特殊詐欺組織に連絡して面接した」と指摘。「昨年9月末ごろから特殊詐欺事件の『受け子』や『出し子』をするようになり、引き出した現金のうち5%を報酬として受け取っていた」とした。

 証拠調べでは、「スロットが好きで金を使ってしまい、クレジットカード会社などで借金が増えていった」などとする被告の供述調書も読み上げた。

 起訴状などによると、被告は何者かと共謀して昨年9月28日、横須賀市の70代の無職男性にうその電話をかけた後、横須賀署員を装って男性宅を訪れてカード3枚をすり替えて盗んだほか、同年10月7日夕には同様の手口で同市の80代の無職男性宅を訪問してカード2枚を盗んだ、とされる。

 被告は2013年4月の採用。事件発覚後の昨年11月21日に懲戒免職処分となった。

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