国を挙げてのゴーン追い落とし!? 日産幹部、官邸や官僚、検察はこの落とし前をどうつけるのか

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今週の注目記事・第1位「風と共に『ゴーン』10の謎」(『週刊新潮』1/16号)「ゴーン逃亡全真相」(『週刊文春』1/16号)「『ゴーンのフリーダム作戦』を完遂させた民間警備会社の正体」(『フライデー』1/24号)「ゴーン爆弾炸裂 日本政府が赤っ恥」(『週刊朝日』1/24号)

同・第2位「『カジノ疑惑』特捜部の『本丸』と『隠し玉』」(『週刊新潮』1/16号)

同・第3位「安倍『もう疲れた』9・7退陣表明」(『週刊文春』1/16号)

同・第4位「2月解散総選挙全予測」(『サンデー毎日』1/26号)

同・第5位「イラン司令官殺害 米国民が支持する理由」(『サンデー毎日』1/26号)

同・第6位「1年半ぶり発見撮 小室圭さん潜伏母“金満”支える『恋人の存在』」(『女性自身』1/28号)

同・第7位「護衛艦『たかなみ』乗組員『家族に遺書を書きました』」(『FLASH』1/28号)

同・第8位「分かっていながら宮内庁『二重権威』のジレンマ」(『週刊新潮』1/16号)

同・第9位「『偽善の正義』沢尻エリカを擁護するavex松浦の“偏愛”と“錯乱”」(『週刊文春』1/16号)

同・第10位「清水章吾『私は週刊新潮の嘘で自殺を図った』」(『FLASH』1/28号)

 今週は現代とポストがともに合併号でお休み。

 他の週刊誌も、正月ボケか、精彩を欠いている。その理由の一つは、年末年始と、ゴーンの逃亡劇、トランプのイラン空爆など、世界中を驚かせた重大事件が続いて起きたことにもあるのだろう。

 世の中の先取りをしなければいけない週刊誌が、時代の後追いをやらされているのだから、やはり、本領は発揮できないのだろう。

 ともあれ、まずはFLASHからいこう。私は清水章吾(76)というタレント・俳優はよく知らない。

 何でもチワワと出演した「アイフル」のCMでブレイクしたらしいが、それぐらいしかないということだろう。

 それでも一時は、年収が3,000万円もあったと、本人がいっているのだから、この世界はちょっと売れれば、カネが入って来るようだ。

この男が最近注目されているのは、40年も結婚していたドイツ人を父に持つ画家である妻・ハルマン(69)と、その連れ子である絹子(45)が、清水から激しいDVを受けていたと、新潮に告発したことであった。

 そのDVが事実なら、この清水という男、最低の人間だ。だが、清水は、妻たちのいうことは真っ赤な嘘で、それを掲載した新潮と妻娘に対しての怒りと悲しみで、ハルシオンを40錠飲んで自殺を計ったと、入院中の病院で、FLASHに語ったというのである。

 DVなどしていないし、もう20年ほど家庭内別居だから、まともな会話をしていないと話している。

 逆に妻のハルマンは「鬼嫁」だという。清水は63歳の時に脳梗塞を患ったので、「仕事ができない」とぼやくと、妻は、「できないんじゃなくて、やんなさいよ」と怒鳴るという。

 仕事のギャラも、妻の会社に振り込まれ、いくら稼いでいたかも知らないし、仕事がある日には1万円しか与えられなかったから、仕事仲間と飲みに行くこともできなかったと話す。

 家も家族も仕事も失った老人の悲しみは、私にもよくわかるが、こういうたぐいの話は、両者のいい分が真っ向から違うので、どちらを信用していいのか分からないのが難点だ。

 まあ、先が長くないんだから、長い物には巻かれろ、妻には目をつぶって従うのが、男の道だと諦めたほうがいいと思うのだが。

 お次は文春から、沢尻エリカと事務所社長との「偏愛」騒動。

 沢尻は、evexという事務所に所属している。ここは、以前の事務所をクスリをやっていたことが発覚して、クビになってから面倒を見てもらっている。

 会長は松浦勝人(55)という業界では有名人である。モデルの妻との離婚が発覚したのは、今年の1月2日であった。

 麻薬取締法違反で逮捕され、NHKの大河ドラマを始め、CMなどへの慰謝料が10億ともいわれる沢尻を、「更生させるために支援する」と表明し、懐が深いと感心された。

 だが、クスリ漬けと分かっていた沢尻から、クスリを取り上げることもせず、放置してきた責任はどうなるのかと、周囲の目は冷たいようだ。

 また、松浦会長自身のクスリ疑惑も囁かれているようで、この2人、まだまだ何か起こりそうな予感がする。

 新潮が、新年の一般参賀に、天皇皇后と一緒に上皇と上皇后が出たことを、「二重権威」だとまた噛みついている。

 このことは、宮内庁長官の記者会見でも質問されたそうだが、長官は、「30年以上にわたって天皇陛下として国民に寄り添ってこられた上皇陛下のお姿を拝見して、今上陛下と並ぶ権威だと感じる人はそんなにいないのではないか」と答えたそうである。

 私もそう思う。だが、どこの下々の家庭でもそうだが、若い人に席を譲ったのなら、年長者は一歩か二歩退いて、見守ってあげるのがいいのではないだろうかとも思う。

 ところで訃報が入ってきた。評論家の坪内祐三が亡くなったという。私の友人の今井照容から聞かされた。

 あれだけ毎日酒浸りではとはと思うが、面白い視点から時代を見ることのできるユニークな人間だっただけに、残念である。

 彼が連載していた小説現代の「酒中日記」には、時々私の名前も出ていたが、いつでも会う時は酔っていた。

 読書はもちろん大の相撲好きで、場所が始まると、神保町の蕎麦屋で呑みながら楽しんでいた。

 またこの世から面白い人間が消えていってしまった。

 さて、「中東海域で活動する海上自衛隊のP3C哨戒機2機が11日、那覇航空基地(那覇市)からアフリカ東部のジブチに向け出発した。これまでの海賊対処に加え、今回からは新たな情報収集も担う。内部には、任務が増えることへの懸念や、中東情勢への不安もくすぶる」(朝日新聞DIGITAL 1月12日 5時00分より)

 FLASHは、1月下旬に横須賀基地を出発して、1年間の予定で中東への派遣が決まっている海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」の20代の1士である乗組員が、こう語ったと報じている。

「家族に遺書を書きました。艦長からも『危険な任務』との訓示があり、不測の事態に備えなければと……」

「たかなみ」の活動範囲は、オマーン湾、アラビア海北部で、中東地域で日本に関係する船舶の安全を確保し、情報収集体制を強化することが目的とされている。

 だが、トランプ大統領がイランの司令官の暗殺命令を出したことで、イラン側が報復すると宣言。緊張が高まっているため、何が起きるか分からない。

 安倍首相は、エジプトなどを訪問し、自衛隊派遣の了解を取り付けようとしているが、それがイラン側を刺激しないのか、先行きは不透明である。

 与謝野晶子ではないが「君死に給うことなかれ」と祈りたい。日本という国そのものが存続の危機にあるのなら、われわれにも覚悟があるが、わざわざ、中東まで出かけて行くことに何の意味があるのだろう。そう思わざるを得ない。

 ところで、『報道ステーション』の存在感が薄くなっていると思うのは、私だけだろうか。

 その背景には、権力に歯向かうフリーのスタッフたちを、クビにしようというテレ朝の「安倍政権迎合体質」があると思う。

 日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は「テレビ朝日『報道ステーション』 スタッフ契約打ち切りによる『番組解体』を許さない」を1月10日付で発表した。

《今回、契約終了を一方的に通告されたスタッフは、ニュース担当のディレクターを務めていました。中東情勢や沖縄の基地問題、原発、災害、事件報道などに精通したメンバーです。番組の中核スタッフとして、時に政治権力などからの圧力を受けながらも、政治や社会の問題点に斬り込む日本有数の報道番組を支え、日本のジャーナリズムを体現してきました。テレビ朝日は「新たな雇用先を確保する」と説明していますが、今回の強引な労務政策は、番組スタッフ以外にも不安を広げています。》

 この声明は「テレビ朝日社員であるチーフプロデューサーだった桐永洋氏らによるセクシュアルハラスメントの問題」にも触れている。

《『報道ステーション』において昨秋、テレビ朝日社員であるチーフプロデューサーだった桐永洋氏らによるセクシュアルハラスメントの問題が発覚しました。雇用契約上、立場の弱い社外スタッフに対するハラスメントもありました。そうした問題が起きた後に、テレビ朝日が取るべき対応は、加害者を厳罰に処したうえで、スタッフたちをしっかり守ることです。

「人心一新」といって、社外スタッフの入れ替えが強行されれば、「声を上げると不利益を被る」という誤ったメッセージとなりかねません》(今井照容責任編集【文徒】2020年(令和2)1月14日より)

 権力にすり寄るメディアなど、存在する必要がないこというまでもない。

 メディアのトップになったのを、天下でも取ったと勘違いする人間の何と多いことか。そんなことをすれば、安倍官邸にバカにされるだけである。

 さて、久しぶりに小室圭の母親の話題である。

 女性自身が、1年半ぶりに、母親の近影を撮ることに成功した。

 それは昨年の12月20日の午前5時頃だったという。まだ暗い闇が包む中、マンションの前にタクシーが止まった。

 ブラウンのワンピースの上に大きなストール、ハンドバッグを2つ持ち、黒いブーツはピカピカに磨かれていたという。

 自身の記者が、金銭トラブルを解決する気はあるのかを聞こうとすると、佳代はストールで顔を隠し、マンションへと戻ってしまったという。

 そのとき、彼女の左手薬指にはピンクのダイヤモンドのような宝石が入った、真新しい指輪が光っていたというのである。

 これまでの写真を見返しても、指輪をしている写真はないという。

 そして今度は12月24日のクリスマスイブのやはり朝4時。マンションの前にワンボックスカーが止まり、佳代が現れ、今度は車に乗り込んだという。

「運転席には50代ぐらいとおぼしき小柄な男性が座っていた」(自身)

 その夜は、彼女がマンションに帰って来ることはなかったそうだ。

 彼女は洋菓子店で働いていたが、もうそこには来ていないそうである。

 アルバイトもせず、どうやって生計を立てているのか。新しい恋人でもできたのだろうか。

 来月2月には、眞子さんと圭は、何らかの意思を発表するといわれている。

 継続か破談か。眞子&圭の結婚問題も、いよいよ大詰めである。

 昨年は、その前に秋篠宮が誕生日会見で、「このままでは納采の儀は行えない」と発言したことを受け、小室圭が「金銭トラブルは解決済み」とする内容の文書発表した。

 昨年の秋篠宮は誕生日会見で、「2人は何らかの発表をするべきだ」という趣旨の発言をしており、婚約延期から2年になる2月までに、眞子&圭から文書が出されるようだが、その内容はどのようなものになるのだろうと、週刊誌は様々に憶測している。

 ここで、私の2人の結婚問題に関する基本的な考え方を述べておきたい。まず、小室圭については、人間性を云々する報道もあるが、ここまできたら眞子さんと結婚するしか選択肢は残されていない。

 もし、彼が眞子さんを振れば、日本にはいられなくなるからだ。では眞子さんはどうか。小室圭がニューヨークに発って以来、2人が会ったという報道はない。だが、眞子さんが心変わりしたという報道もない。小室母子への心無い報道を繰り返している週刊誌でも、私が知る限り、2人は結婚できないと書いたところはないのだ。

 先週も女性自身が、ニューヨーク在住の帽子デザイナー・長谷川ゆかと知り合ったことを、「裏切りのNY交遊ライフ」などとタイトルを付けて報じているが、ここで紹介するほどの内容ではない。

 女性セブンは、納采の儀を行うためには、男性側の家族を代表して宮家を訪問し、納采の旨を伝え、結納品を進呈したりする「使者」が必要だが、小室家は本家とも断絶状態なので、そういう人間がいない、したがって婚約は難しいのではないかと報じている。

 これこそ重箱のすみをつつくような瑣末なことである。同誌は1年ほど前に、「眞子さまと小室さん『納采の儀』を飛ばして結婚の選択肢も」という特集を組み、皇族には戸籍がない代わりに、皇族としての身分と系統を登録した「皇統譜」の記載事項を証明した書類を添付し、証人を友人などに依頼し、婚姻届けの提出を代理人弁護士に頼めば、「世間的には“秋篠宮家としては反対だったが、眞子さまに押し切られた”という体面は保たれるはずです」(皇室ジャーナリスト)と、2人に知恵を授けているのである。

 また、内親王や女王は15歳以上になると個人の意思で、皇室会議を経て、皇籍離脱することができる。

 ここへきて、ハリー王子とメーガン妃が英国の高位王族の地位から退くと表明したことが話題だが、眞子さんが皇籍離脱して、一時金を辞退し、小室圭と結婚するという選択肢もある。

 今日発売の文藝春秋のタイトルのように「眞子さまは小室圭さんを諦めない」。私もそう思う。

 ところで、サンデー毎日は、イラン司令官を殺害しても、トランプの支持率は上がっていると報じている。

 ニュースサイト・ハフポストの世論調査では、イラン攻撃を支持するとした人が43%で、不支持の38%を上回ったそうだ。

 トランプがイラン司令官を攻撃したのは、昨年11月から12月にかけて、イスラム教の一派、カタイブ・ヒズボラによる、米軍施設への執拗な攻撃があったため、ヒズボラの本拠地はイラクだが、イランが支援していた可能性が高く、司令官が殺されたのもイラク国内だった。

 だが、この“無謀”とも思える攻撃が、国内世論を二分し、トランプの再選に有利になるかどうかは、まだまだわからない。

 どう考えても、今年の不安定要素は、トランプ大統領であることは間違いないようだ。

 同じサン毎が、2月に解散・総選挙が行われれば、議席はどうなるかを予測している。

 先週のFLASHは、「桜を見る会」疑惑にIR事業を巡って現職議員が逮捕されるという“逆風”が吹いているため、野党が一本化できれば、ズバリ、自公で83議席減だと見ていた。 

 サン毎は、選挙プランナー三浦博史が当落予想をしている。

 三浦によれば、自民党は小選挙区199議席、比例70議席の計269議席で、15議席減らすが、単独過半数は上回ると見る。

 その理由を三浦は、内閣、自民党の支持率は下がったが、立憲民主党なども勢いがなく、議席を奪うというのは感じられないというのだ。

 まあ、この予測のほうが、実態に近いかもしれない。共産党以外の野党は解散して出直すしかない。残念だが。

 だが、文春によれば、このままでは悲願の憲法改正などできはしないと、安倍首相本人が「もう疲れた」と洩らしているという。

 文春の読みは、「パラリンピック閉幕翌日の『9・7退陣』」が濃厚だとしている。そうなれば、佐藤栄作の持つ「連続在位日数」を超えるし、岸田文雄に禅譲すれば、キングメーカーとして君臨できるという目論見だというのである。

 1964年の東京五輪のときは、閉会式の翌日、池田勇人首相が佐藤を後継に指名して退陣している。それに倣おうというのかもしれないが、安倍首相を脅えさせる因縁も今年はあるの。

 今年の干支は「庚子(かのえね)」というそうだ。60年に1度回って来る。60年前といえば1960年(昭和35年)。日米安全保障条約に反対する「安保闘争」が全国に広がり、安倍首相が尊敬する母方の祖父・岸信介内閣を総辞職に追い込んだ年である。

 この年は、キューバ危機に直面するJ・F・ケネディが大統領に当選している。歴史は繰り返す。嫌な予感がする。

 その安倍の足許ではIR汚職が発覚し、東京地検特捜部がIR担当の内閣府副大臣だった秋元司を収賄容疑で逮捕した。

 秋元のほかにも岩屋毅前防衛相や宮崎政久法務政務官などの実名が報じられ、その一人、日本維新の会の下地幹郎衆院議員は、17年の総選挙中に選挙資金として100万円を、IR参入を目指していた中国企業「500ドットコム」から受け取っていたことを認めたのである。

 特捜部の標的として、IR議連の幹部である細田博之元官房長官や河村建夫元官房長らの名前も取り沙汰されていると、新潮が報じている。

 菅官房長官も、この会社のCEO(当時)と面識があるというから、1月にも事業者の選定基準を示した基本方針を策定する予定だったが、先行きは不透明だそうだ。

 IR事件の広がりによっては、安倍内閣の致命傷になり、野党に棚ぼたがもたらされるかもしれない。

 さまざまな疑惑を抱えながら、虚偽答弁、沈黙、切り返しで、何とか命脈を保ってきた安倍政権だが、これまでにたまりにたまった澱が、一気に爆発する恐れは十分にある。

 そして、その火薬庫は、海外からも爆発しそうである。

 今週の第1位は、まんまと検察の手から逃れ、レバノンへ渡り、日本の司法のおかしさや、人権を無視したやり方を、レバノンから告発するカルロス・ゴーン関連の記事に捧げたい。

 さて、1月8日、レバノンに逃亡したゴーンが会見した。

 2時間半にわたるゴーンのワンマン会見を、あまり上手ではない同時通訳にイライラしながらテレビ東京とAbemaTVで見た。

 感想はひと言「がっかりした」。推定有罪、自白強要、人質司法、長すぎる公判など、日本の司法制度のおかしさを批判するのはいい。日本人の多くもそう思っている。

 日本から逃亡したやり方を明らかにできないのも理解できる。だが、肝心な、彼の身の潔白を証明する決定的な「証拠」は出してこなかった。

 ゴーンが「仕組まれた」というこの事件の構図は、簡単にいうとこうだ。ルノーに吸収されることを怖れた日産幹部たちが、日本の政治家・検察と手を組み、この計画を潰そうとして起こしたクーデターだというのである。

 日産の人間の実名は出したが、政治家の名前は、レバノン政府と日本政府との関係があるからいえないという。この期に及んで、肝心なところをうやむやにするのでは、何のための会見だったのか。

 確固たる裏付けのないまま、自分は無罪だと百万遍繰り返しても、聞く側の心には響かない。名前を挙げた川口均専務執行役員(当時)が菅官房長官と親しかったのは周知の事実である。菅は川口に頼まれて何らかの動きをした可能性があることを、ゴーンは知らなかったのだろうか。

 そうした「ゴーンしか知らない事実」を会見でぶちまけると思っていたのだが、何もなかった。

 新潮によれば、ゴーンの逃亡劇には元グリーンベレーが関わっていたが、日本人、それも芸能事務所の関係者が、ゴーンが品川から新幹線に乗り関空に至るまで、接触していたと報じている。この人間は何者なのか、知りたいものである。

 ゴーンの限定記者会見に入れた日本のメディアは、テレビ東京、朝日新聞、小学館『週刊ポスト』『NEWSポストセブン』合同取材班だった。

 テレ東と朝日は何となくわかるが、なぜ、ポストとセブンだったのか。小学館の合同取材班の記者がゴーンに、なぜ4社だけなのかを問うた。

 それに対してゴーンは「日本のメディアを差別したわけではない」と前置きしてこう答えたそうだ。

「あなたが参加できているのは、客観的な見方ができる方と判断されたからです。正直に言って、プロパガンダを持って発言する人たちは私にとってプラスにならない」

 自分を批判するメディアを、プロパガンダだと一括りにして切り捨ててしまう。まだ、独裁者だったころの“性根”を残こしているようでは、ゴーン信者はいいだろうが、多くの支持者を得ることは難しいだろう。

 フライデーは、ゴーンの日本からの逃亡をほう助した「民間警備会社」の実態を取材している。

 こうした会社は欧米に20社ぐらいあり、有名なのはイラク戦争時に民間人を殺害して悪名を馳せた『ブラックウォーター』(現在は『アカデミ』)と、世界最大規模の英国に本社を置く『G4S』で、90か国に54万人以上の人間を抱えていると、自衛隊初の特殊部隊『特別警備隊』の創設にも関わった伊藤佑靖が話す。

 彼らは「軍隊が任務に専念するための周辺業務を行う」。後方での食料補給や基地警備などだが、戦闘に巻き込まれて死亡しても、軍人が死亡した場合のように国家は何も責任を負う必要がないため、都合のいい存在だという。

 特殊部隊にいた経験を持つ者もいる。彼らは、何でも自分でできるし、ナイフや素手での格闘能力も高いから、1日1000ドル以上の給料をもらうそうだ。

 今回のゴーン逃亡作戦を担った民間の警備会社は、一つ一つは素人でもできることだが、誰がやっても失敗しない作戦を立て実行したのはすごいと、伊藤は高く評価している。

 ゴーンの会見を評価するのかしないのか、意見は分かれるようだが、週刊朝日は、ややゴーン側に傾いているようだ。ゴーンのいう日本の司法のおかしさは、世界からも厳しい眼で見られているという。

 それに加えて、元特捜部検事の郷原信郎は、「日産経営陣と経産省と検察が結託し、カリスマ経営者を葬ろうとしていたと国際的には見られているのです。日本の刑事司法に対する批判が高まるなか、ゴーン被告の主張に反論するのは簡単ではありません」

 また、検察は、ゴーンが会見を開く前日に、妻キャロルを偽証容疑で逮捕状を取ったのも、見え見えで、日本の検察のやり方に批判が出るのも無理はないという。

 日本政府は、ゴーンの身柄引き渡しを求めていくが、犯人引き渡しの条約は、韓国としか結べていない。

 アメリカは100か国以上と結んでいるのに。その背景には、日本にはまだ死刑制度があることも要因だといわれているそうだ。

 ようやく今になって、プライベートジェットに大型荷物を持ち込む際にも、保安検査を義務付けることをいい出したが、後の祭りである。

 ゴーンの逃亡、会見で、日産の評判は地に落ちつつある。このままでは、ルノーでさえも、一緒になるのは御免被るということにもなりかねない。

 日産幹部、官邸の政治家や官僚、検察は、この落とし前をどうつけるのか。そのうち、日産内部から、今回のクーデターの一部始終を話す人間が必ず出て来る。

 国を挙げてのゴーン追い落としの陰謀が、日産倒産だけに終わらないかもしれない。事件は振出しに戻り、この事件の行く先も不透明である。(文中敬称略)