ごみ処理「見える化」 金工大生がARアプリ 小松市センターで活用

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 金沢工大は14日までに、小松市と連携し、ごみ焼却施設の一連の処理を拡張現実(AR)の技術で「見える化」するシステムを開発した。施設の見学スペースで眼鏡型の装置を着けると、壁などで隠れて見えない設備が映し出され、イメージ動画や音声で作業の説明が受けられる仕組み。同大などは目視できない場所を含む全体像の把握に役立つ技術として、建築分野の教材へ応用できないか探る。

 システムは同大建築デザイン学科4年の野田一斗さん(22)=野々市市=が小松市クリーンセンターの見学用に開発した。

 カメラやセンサーを内蔵した眼鏡型の装置をかけて見学スペースに立つと、焼却炉や蒸気タービン発電機など各設備の稼働イメージが3次元動画で紹介される。親指と人さし指をくっつける動作に反応し、音声ガイドが流れる。

 実際に見える設備だけでなく、天井や壁に隠れているボイラーなども立体的に再現され、普段は見えない設備の構造や動作を分かりやすく理解できる利点があるという。

 市と金沢工大は建築分野での新技術開発などに関する包括連携協定を結んでおり、ARを活用したシステム開発もこの一環となる。

 野田さんは同大建築学科の下川雄一教授の指導を受け、昨年4月に卒業研究として開発に着手した。クリーンセンターの設計・施工を担当した川崎重工業の助言を受け、施設の3次元データを基にアプリを試作した。17日に報道機関向けの閲覧会を開き、市は今後、見学者向けに導入を検討する。

 建設業界では危険な高所作業などの研修でVR(仮想現実)の活用が進む。野田さんは「ARもスマートフォンとの相性が良く、日常に取り込みやすい技術。教材としての可能性はまだまだあるはず」と語る。春から同大学院に進み、実用化を探る方針だ。