抗がん剤 製造ライン増設 ダイト

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2018年11月に完成し高薬理活性製剤を製造する第8製剤棟=富山市八日町

■来年稼働 能力倍増 受託に対応

 ダイトは、本社敷地内の第8製剤棟に抗がん剤など高薬理活性製剤の製造ラインを増設する。生産能力を従来の2倍に引き上げ、自社開発品だけでなく受託製造の需要の高まりに応える。今年12月の完成、2021年2月の稼働を見込む。総投資額は20億円。

 新ラインは、生産設備を増強できるよう確保していた余剰スペースに新設し、既存の1ラインと合わせて2ラインとする。抗がん剤に加え、骨粗しょう症やリウマチの治療薬などを生産する。22年以降の製品出荷を目指す。

 少量で高い薬効のある高薬理活性製剤を扱うことから、製造に伴う粉じんの外部への飛散を防ぐため空調システムを整備。造粒、打錠といった工程を担う製造装置を導入する。

 第8製剤棟は、18年11月に約35億円を投じて完成した。高薬理活性製剤の大量生産に対応している。今年2月にも製品の出荷を始める予定。

 同社は、薬価が比較的高い製品が多いとされる、高薬理活性製剤分野に注力。設備投資額は、今回を含めて15年から累計90億円に上る。

■売上高・利益が最高 11月中間

 ダイトが14日発表した2019年11月中間連結決算は、原薬、製剤とも販売が好調に推移し増収増益となった。中間期としては売上高と経常、営業、純利益がいずれも過去最高を更新した。増収は2年ぶり。営業、経常利益が7年連続、純利益は11年連続で増加した。

 品目別売上高は、原薬が血圧降下剤や消炎鎮痛剤のジェネリック医薬品(後発薬)向けが伸び前年同期比17.5%増の129億7900万円。製剤が自社開発の後発薬や製造受託が堅調で13.3%増の101億3500万円、健康食品ほかが9.5%減の1億3800万円だった。

 中間配当は1株当たり20円とし、期末と合わせ年40円を見込む。

■時代の流れに乗った

 2010年の東証上場以来、中間期として過去最高の売上高と利益を更新したダイトの大津賀保信社長は「当社が国の方針に従い、時代の流れに乗ったおかげ」と述べた。一方、薬価改定が毎年行われるなど事業環境は厳しさを増すとし「予断を許さない状況だ」と気を引き締めた。コンサルタントの助言を受け、経営効率化に取り組む。「人工知能やIoT、ロボットを活用し、人手に頼らないシステムづくりを進めたい」と話した。