熊本県立美術館分館、5月から半年休館 初の大規模改修工事 展覧会会場や規模変更に

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5月11日から11月30日まで改修工事のため休館する県立美術館分館=熊本市中央区
毎年、県立美術館本館と分館で開かれてきた県美展。県内最大級の展覧会で、昨年は両会場合わせて418点が展示された=熊本市中央区

 絵画や書道など県民の発表の場として親しまれている県立美術館分館(熊本市中央区)が5月11日から11月30日まで、大規模改修工事のため休館する。約半年間の休館は1992年の開館以来初めて。交通の便の良さや利用料の手ごろさから、毎年定期的に利用する個人・団体が多く、展覧会の時期や会場の変更、中止などを余儀なくされている。

 同館は鉄筋コンクリートの地下1階地上4階建て。三つの展示室とギャラリーがあり、例年約150の個人・団体が利用している。

 休館日以外の主な休館は、熊本地震発生後に相次いだ利用者のキャンセルによる約3週間と、復旧工事による2017年3月からの約3カ月間。今回は19~24年度の「開館以来の大規模改修」(総工費約11億円)の一環。半年で全床の空調設備や受変電機器の更新、天井改修や照明のLED化を進める。その後は床や壁、トイレなどを工事する。

 分館で毎年公募展を開いてきた県水彩画会は、展示会場を県立美術館本館(中央区二の丸)1階に、審査会場を本館文化交流室に変更する。田内康敬会長は「作品搬入はこれまで2日設けていたが、今年は本館休館日の月曜のみ。駐車場からも距離がある。出品者や来場者が減るのでは」と不安視する。

 県美術協会主催の「県美展」は、洋画や工芸など6部門で400点超を本館と分館で展示してきた県内最大級の展覧会。会場確保に悩んだ末、絵画を50号以下にするなど規模を縮小して本館のみで開き、審査会場をフードパル熊本(北区)にした。事務局の二宮弘一さんは「工芸などは審査後の運搬で割れたりしないか心配。作品受け付けの場所も周知徹底しなければ」と対応に追われる。

 一方、終戦日近くに毎年開いていた「熊本平和美術展」は出品者の高齢化もあり中止に。玉名美術協会展は広さや民間の代替会場の費用負担増を考慮し、「熊本市内での開催は諦め、地元でほそぼそと開く」予定だ。

 所管する県文化課は「休館については館内掲示や郵送で約2年前から周知し、本館や他会場の紹介も進めてきた。迷惑を掛けるが、建物を長く利用するためにも理解・協力をお願いしたい」としている。(魚住有佳)

(2020年1月15日付 熊本日日新聞朝刊掲載)