《今井悠貴×柳憂怜×黒崎レイナ◆インタビュー》「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」キャストも視聴者もあの頃にタイムスリップ!

《今井悠貴×柳憂怜×黒崎レイナ◆インタビュー》「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」キャストも視聴者もあの頃にタイムスリップ!

離婚秒読み+リストラでお先真っ暗の主人公・天野光彦が1986年にタイムスリップし、心は46歳のまま、体だけ16歳に戻って青春をやり直すコメディードラマ「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」(テレビ大阪・BSテレ東)。同作で16歳の光彦を演じる主演・今井悠貴、46歳の光彦を演じる柳憂怜、光彦の初恋の相手・小沢さつきを演じる黒崎レイナのスペシャル鼎談が実現! 3人が明かす撮影秘話、おのおのの青春時代とは…!?

■図書館デート論争も勃発!? 3人が振り返る、それぞれの青春時代

──80年代の懐かしい音楽やカルチャー、青春のきらめきがあふれ出す「ハイポジ」(原作・きらたかし)ですが、出演オファーが来た時はどんな感想を持たれましたか?

今井「オファーをいただいて原作漫画を読んだんですけど、初めて触れる80年代要素も詰まっていて、すごく新鮮で面白かったです。純粋に『すごくやりたい』と思いました。この作品はコメディーですけど、最後はしっとり、ロマンチックに終わるんですよ。そのギャップも大好きで…。実は僕、ロマンチストなんです(笑)」

「僕は年齢的にもよく『あの時、もしこうだったら…』と考えるので、46歳の光彦には非常に共感を覚えたんですよ。ただ、原作のビジュアルが僕とは全然違っていたので、『僕でいいのか!?』と(笑)。戸惑いはしましたけど、断るという選択肢は一切なく、自分なりに頑張りたいと思いました」

黒崎「私は音楽好きな家族の影響で、生まれた時から歌謡曲が大好きで、台本に出てくる80年代の曲もほとんど知っていたんです。80年代への憧れも強いので、劇中の図書館デートや、携帯電話がない時代のすれ違いにもドキドキしちゃって! 『何、この初々しい感じ!? こういう青春を味わいたかったなぁ』と思いました」

今井「ひとつ疑問に思ったんだけど、図書館デートって昭和の代表デートなの?」

黒崎「だって、今はしないじゃん! 行く場所の選択肢も昔より多いし…」

今井「まぁ、僕も図書館デートはしたことないけど…」

黒崎「でしょ? だから憧れるんですよ! 大声で話せない場所だから、一緒にテスト勉強をしながら『ここ教えて』ってお願いする時も、ちょっと近寄りすぎちゃって『あっ、ごめん。近すぎちゃったね』とか…(笑)。そういう初々しさをぜひ体験したい!」

今井「その妄想、監督にディスられてたよね?(笑)。『図書館は初々しさを捨て去ったカップルが行くところだよ』って」

黒崎「確かに『少女漫画の読みすぎじゃない?』ってツッコまれました(笑)。でもね! 何でもキュンキュンしたいんですよ、女性は!」

「気持ちは分かるんだけど、その時代の男は下心でガツガツしっぱなしで、そんなこと求めてないからね(笑)」

今井「黒崎さんは間違った昭和像を抱いてるんだよ(笑)」

──ちなみに、昭和代表の柳さんは高校時代、図書館デートをしたことはありますか?

「デート自体したことがないです! 好きな子はいましたけど、お付き合いはしてなかったですね。僕、女子をからかう小学生がそのまま高校生になったような感じだったので、女子からの不人気No.1だったんですよ(笑)。だから、男同士の集いがメインの青春時代でした」

──今井さんと黒崎さんは高校時代、どんな青春を味わっていたんですか?

「今井くんはもう芸能界にいたから、ちょっと特殊なんじゃない?」

今井「いや、僕は芸能(コースのある)高校じゃなく、一般の高校に通っていましたし、普通に炭酸飲んで…みたいな青春を味わってました」

黒崎「炭酸が青春!? どういうこと?」

今井「プールの授業の後に炭酸を飲んだりするじゃないですか。それ、青春じゃないの?」

黒崎「分かりにくいよ!」

今井「じゃ、分かりやすいのだと、叫びながら川に入ったり」

「放課後の校舎の窓ガラスを割ったり?」

今井「それはしてないです(笑)」

黒崎「私はダンス部に入って、普通に勉強もしてました。あと、みんなで放課後にサッカーをしたり、球技大会で思いっきりボールを蹴ったり…」

今井「ボールを蹴る!? 炭酸のことバカにできないよ、その発言(笑)」

黒崎「それも青春でしょ! だって今蹴ると、すぐ筋肉痛になるし…(笑)。このドラマの撮影も冬で、筋肉が縮こまっちゃうので、首周りに磁器ネックレスを身に着けていたんです」

──今井さんと柳さんも撮影中に何か仕込んだりしたんですか?

「カイロくらいですかね」

今井「僕もです。学校での撮影は暖房もないし、結構寒かったですよね」

■真摯に役と向き合いながら、2度目の青春も満喫! 充実の撮影現場

──今回は皆さんもお芝居を通して、もう一度青春を味わったかと思いますが、撮影中の心境はいかがでしたか?

今井「僕自身の青春は炭酸を飲む程度だったので、ステレオタイプな青春を味わうのは今回が初めてだったんです。女の子の顔が至近距離まで近づいてきたり、ヤンキーと殴り合ったり仲良くなったり…と、素でドキドキする瞬間がたくさんあって最高でした」

「僕は16歳の光彦とオーバーラップする場面で学生服を着て、最初は『あぁ…』と妙な気持ちになったんですけど、その感覚もすぐ忘れちゃって(笑)。自分が高校時代から精神的に変わってないこともあって、高校生役のみんなを同年代目線で見てたんです。でも、はたから見れば、オッサンが1人交じってる状態! その現実にふと立ち返るたび、年を取ったことを実感して『若者っていいなぁ』と思っていましたね」

黒崎「私は『好きな人と同じクラスで隣の席なんて、そんなすてきなシチュエーション、ありますか!?』って、さつきを通してドキドキしました。光彦との初デートのシーンの前日も、なぜか自分の私服を眺めて『一番いいデート服ってどれだろう!?』と考え始めたり、女子がデート前日に仕込むことを実践してみたり…(笑)。妄想とドキドキが止まらず、結局眠れなかったんです!」

今井「僕は超熟睡しました。ドキドキはしましたけど、なにせ光彦は中身が46歳。さつきに対して純粋にドキドキするだけじゃなく、自分の娘と重ねるような目線も存在するんです。だから、撮影に備えて複雑な思いを巡らせながら……寝ました!」

──中身が46歳の光彦を演じるにあたり、ほかにも意識したことはありますか?

今井「さえないオジサンが送ってきた人生を想像しつつ、物の言い方やしぐさ、歩き方にちょいちょいオジサン臭が出ればいいな、と思って演じました。立ち方にしても、体は16歳だけど、普段の癖が出ちゃうでしょうし…。特に第1話はタイムスリップした直後なので、体がギクシャクするだろうと思い、そこも意識しましたね」

──今井さんと柳さんは同じ人物を演じますが、お芝居はどうすり合わせたんですか?

今井「僕の動きに柳さんのモノローグを重ねるシーンが多いんですけど、モノローグの収録は各シーンの撮影後。なので、柳さんがどんな感じで話されるかを想像して脳内再生しながら、間の取り方を調整するようにしていました」

「僕は逆に、今井くんが実際にする芝居を意識して見るようにしていました。ただ、途中からは撮影スケジュールがタイトで…。該当シーンの撮影が終わった直後に、映像をじっくり見る間もなく、車の中でサッとモノローグ撮り…ということが多くて、不安もありましたね。案の定、撮り直しになることもありましたし(笑)、声だけで表現する難しさも痛感して、プロの声優さんはスゴいと思いました」

──黒崎さんはさつきを演じる上で、苦労したことはありますか?

黒崎「私自身は感情を表情に出すタイプですけど、さつきは真逆。なので『無、無、無!』と思いながら臨んだら、監督に『表情筋が死んでる。多少は動かして』と言われて…(笑)。光彦との関係性などを通して、表情の出し方もどんどん変わっていくので、さじ加減については細かく監督と相談させていただきました」

──細かいお芝居からも目が離せませんね! 最後にぜひ、1月18日放送・第2話以降の見どころも教えてください。

今井「個性の強い人物が次々と出てくるんですが、彼らはみんな、光彦が2度目の青春で勇気を振り絞って、さつきに声をかけたから出会えた“特別な人たち”。皆さんにも『勇気を出せば、何かいいことがあるかも!』と思っていただけたらいいな、と思います」

「あと、僕ら出演者も現場で『これ、どうするの!?』と多々驚いたほど、演出もどんどん暴走していくので(笑)、ぜひ楽しんでください」

黒崎「回を追うごとに変化するさつきの心情や光彦との関係性、光彦の妻となる幸子(鈴木絢音/いしのようこ)との三角関係にも注目です。たくさん笑って楽しんでください!」

【プロフィール】


今井悠貴(いまい ゆうき)
1998年12月30日生まれ。島根県出身。3歳から子役として活躍。大河ドラマ「西郷どん」「決してマネしないでください。」(ともにNHK)、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」(ともに日本テレビ系)など、数々の話題作に出演。「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」でテレビドラマ初主演を飾る。

柳憂怜(やなぎ ゆうれい)
1963年4月8日生まれ。広島県出身。たけし軍団のメンバーとして、お笑い芸人としてのキャリアをスタート。90年には映画「3-4X10月」で主演デビューを果たした後、俳優に転身。映画「女優霊」「呪怨」「アキレスと亀」など代表作多数。

黒崎レイナ(くろさき れいな)
1998年11月11日生まれ。愛知県出身。2011年に「ハガネの女 season2」(テレビ朝日系)に出演し、女優デビュー。モデルとしても活躍する。「仮面ライダーエグゼイド」「サイン-法医学者 柚木貴志の事件-」(ともにテレビ朝日系)、「初めて恋をした日に読む話」(TBS系)などに出演。

【番組情報】


「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」
テレビ大阪
土曜 深夜0:56~1:26
BSテレ東
土曜 深夜0:00~0:30

会社をリストラされ、離婚危機にあり、お先真っ暗な46歳の主人公がタイムスリップして、16歳の高校生となり2度目の高校生活を謳歌していくさまを描き出す。1980年代の流行や文化、音楽などを盛り込み、この時代を知っている世代は懐かしく、知らない世代も青春の切なさを感じられる恋愛ドラマ。各話で流れる名曲の数々も必聴。

※各話、テレビ大阪の放送終了後からTVerで1週間配信。第1話は1月18日深夜1:25まで配信中。

取材・文/南由紀子 撮影/尾崎篤志

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