五島のサブカル拠点に 「オタク」集う憩いの場 カフェ&バー好き間 漫画や小説 創作活動も可能

「カフェ&バー好き間」を営む野原さん。背後ののれんには、野原さんがデザインしたロゴがあしらわれている=五島市武家屋敷3丁目

 長崎県五島市武家屋敷3丁目の「カフェ&バー好(す)き間(ま)」が、アニメやイラスト、ゲームなどを愛する「オタク」の若者が集う憩いの場になっている。市内唯一のオタクバーとして、野原拓馬さん(40)が3年ほど前にオープン。客同士で同好会を結成したり、同人誌販売やコスプレなどのイベントを企画したりと、五島のサブカルチャーの拠点だ。

 野原さんは同市出身。小学生の頃から、「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」や「ゲームボーイ」などの家庭用ゲーム機、「スラムダンク」「るろうに剣心」といった漫画に親しんだ。大学卒業後は島内外で会社員として働く傍ら、インターネット動画中継サイト「ニコニコ動画」などで視聴できるアニメ作品や、パソコンゲームなどにはまり、脱サラして2017年3月に開業。今月、国道沿いの現在地に移転した。
 当時、市内にはサブカルが趣味の若者が気軽に集まれる場所は少なく、イベントなどの打ち合わせにはファミリーレストランを使用。野原さんは「ないなら作ればいい」と思い立ち、自ら店を始めた。店名の由来は「みんなの『好き』が集まる場所にしたい」との願いだ。
 店内はカウンター席やテーブル席があり、過ごし方は自由。一角には客が持ち込んだ漫画やフィギュア、ボードゲームなどがずらりと並び、飲食をしながら個人でも仲間とでも楽しめる。パソコンやプリンターも設置しており、漫画や小説などの創作活動が可能。客層は20代後半から30代前半が多く、趣味が合う客同士で、パソコンやコスプレ、ボードゲームなど各ジャンルの同好会やイベント企画も行われている。
 野原さんは「ディープな層だけでなく、面白いアニメや漫画を知りたい人など誰もが気軽に入れる店にしていきたい」と話す。
 営業は午前11時半~翌午前0時。料金は時間制で、▽午前11時半から1時間300円▽午後2時から30分300円▽午後6時から30分500円。ソフトドリンクやスープは飲み放題。から揚げ定食(500円)やカレー(400円)などの食事、ビールやカクテルなどのアルコール類もある。問い合わせは野原さん(電050.5876.5798)。

のれんをくぐると、客が持ち込んだフィギュアや漫画、ゲームなどがずらり

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