茅ケ崎市立中の給食導入で素案 「選択制デリバリー方式」 パブリックコメント実施

茅ケ崎市教育委員会がある市役所分庁舎

 神奈川県の茅ケ崎市教育委員会は、市立中学校への給食導入について「選択制デリバリー方式」とする方向性を示した素案をまとめ、15日にパブリックコメントを始めた。全13校での実現可能性を1年近く検討した結果、同方式が最適と判断した。市民意見などを踏まえて本年度内に成案を固め、導入時期の検討を始める方針だ。

 同市の中学校給食を巡っては、2019年2月に学校関係者らで構成する検討会議を設置。▽校舎内に調理場を設ける「自校方式」▽共同調理場から各校に配送するセンター方式と自校方式の折衷案に当たる「兄弟方式」▽小学校の調理場で中学校分も作る「親子方式」▽完全民間委託のデリバリー方式による給食か、家庭から弁当を持参するかを選ぶ「選択制デリバリー方式」─の4案について適否を検討してきた。

 その結果、選択制デリバリー方式が同市に適しているとの方向性を提示。理由として、▽市立小中学校の校舎配置などの現状から、自校、兄弟、親子の各方式による実現は物理的に困難▽アレルギーなど対応を必要とする生徒や家庭弁当を食べたい生徒への対応│などを挙げた。

 また、市立中全13校への給食提供を一斉に開始しやすく、財政負担が比較的少ないことを利点として強調。一方で理想的な中学校給食を実現する民間事業者や工場建設用地の確保、厳しい財政状況下での事業費捻出といった点を実現に当たっての課題とした。市立中の生徒6割が選択制デリバリー方式による給食を利用した場合に見込まれる総事業費については、115億9千万円と試算した。

 市教委は15日から2月13日までパブリックコメントを実施するほか、1月16日から31日まで市内8会場で説明会を開催し、市民意見を募る。同市教委が市立小中学校に実施したアンケートでは、中学校給食について約9割の保護者が「期待している」と回答している。

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