がん治療と仕事両立を 神奈川県、推進企業を認定 都道府県で初

神奈川県庁

 神奈川県は15日、がん治療を受けながら働ける休暇・勤務制度を整備している企業を「治療と仕事の両立推進企業」と認定する制度を創設したと発表した。両立支援の実践例を共有し、がん患者の「働きたい」という希望を後押しするのが狙い。都道府県では初の取り組みで同日、募集をスタートした。

 がん患者は働く意欲や能力があっても、治療と仕事を両立できる環境整備が不十分な職場では就労や復職が困難なケースが少なくないとされる。労働者の健康状態に配慮した支援体制の整備は不可欠で、国も推進を図っている。

 県の新制度は神奈川産業保健総合支援センター(横浜市神奈川区)との連携事業で、県内に本社や本店、事業拠点があるなどの企業・団体が対象。認定基準は、①時間または半日単位の年次有給休暇制度の整備②傷病・病気休暇制度の整備③短時間勤務、時差出勤、失効年次有給休暇積立、在宅勤務、フレックスタイムのいずれかの制度を整備─の3項目のうち、満たす数によって「プラチナ」「ゴールド」「スタンダード」の3段階に分類する。

 認定企業は県のホームページなどで紹介するほか、自社の広報に県独自のシンボルマークを利用できる。県がん・疾病対策課は「がんと診断された時点で仕事を続けられないと思い、会社を辞めてしまうケースも多い」とし、制度創設による推進企業の拡大に期待を寄せている。問い合わせは、同課電話045(210)5015。

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