バッテリーの寿命はどれくらい?意外と知らない電動アシスト自転車の使い方

最近街中で見かけることの増えた電動アシスト自転車、通称"電動自転車"。

子どもの送迎や、荷物が増えるお買い物、長距離の通勤や移動などにとても便利ですよね。

普段乗りこなしつつも、意外と知らない電動アシスト自転車のアレコレについて、「ここが進化していた!」や「乗る際の注意点」、「バッテリーの寿命や注意点」までお話しします。


電動アシスト自転車はどういう人に向いている?

高齢者など脚力の弱い方や、子どもを乗せて走ることの多いママさんたちにはオススメです。後部席に子供を乗せて走行する場合や、荷物を載せての走行には強力なアシストとなり、各メーカーからも「子供乗せ専用」の電動アシスト自転車が多数販売されています。

また、通勤や通学で使いたいけれど、きつい坂道が多くて…そんな場合には"シティタイプ"の電動アシスト自転車が良いかもしれません。通勤や通学でもシティタイプなら見た目もスマートです。

休日に自転車で出掛けたいけれど、意外としんどい…そんな場合には折りたたみを可能とする電動アシスト自転車や、タイヤサイズの小さい"ミニベロタイプ"の電動アシスト自転車もお洒落で人気です。

バッテリー収納部と車体のデザイン性がミスマッチかと思いきや、両者が調和していてスタイリッシュで可愛いものも増えており、出掛けるのも楽しくなりそうですね。

電動アシスト自転車に乗る際の注意点

取扱説明書での電動アシスト自転車に関わる注意事項を一部ご紹介しましょう。

1.電動アシスト自転車は普通の自転車より軽く発進できます。普通自転車と同じ感覚で踏み込むと急発進状態になり、転倒や衝突などのおそれがあります。まずは安全な場所で練習して電動アシストの感覚に慣れましょう。

2.サドルに座ってから発進してください。片足をペダルに乗せて助走しながら発進する「けんけん乗り」は、電動アシストにより自転車だけが前進して体が取り残されることとなり大変危険です。また、電動アシスト自転車の故障にもつながります。

3.修理や部品の取り付けは販売店に相談してください。自身での分解や改造をしてはいけません。重大な事故につながる場合があります。

電動アシスト自転車は2008年に新基準が定められた

元々は電動アシスト自転車に備わるモーターの能力は人の力を超えてはならないとされ、「1:1」という基準が定められていました。人の力を1とした場合、モーターの能力も1までと規制されていました。

しかし、2008年に法令改正が行われ「1:2」までアシスト比率が拡大されました。これで、アシストする力は増加しましたが、速度が倍になったわけではありません。

時速10kmを超えるとアシストする力は小さくなり、時速24kmを超えるとモーターは停止します。安全を充分に考慮した設計になっているのです。新基準「1:2」の比率は、あくまで女性や高齢者など脚力の弱い方々をアシストするためのものです。

モーターの補助能力が弱いと発進時や坂道などはペダルを強く踏まなければなりませんが、その反動により自転車がふらついてしまうことや、最悪時は転倒してしまうおそれもあります。

ペダルを踏み込む力をアシストすることで、多くの方々が安全に安心して走行できるように改正された新基準というわけなのです。

電動アシスト自転車のバッテリー寿命は?

バッテリーの寿命については、年数をカウントしたり充電回数でカウントしたりと考え方が多様のようです。

たとえば、使用する電池が自己放電の少ないリチウムイオンであっても、使わない期間中は放電し、劣化は進行します。

メーカーによってはバッテリーの劣化状況を確認できるものもあるそうですが、その数値はあくまで目安。おおよそですが、年数の経過が2年を越えている場合、または充電の回数が700回を超えている場合を、寿命の目安と考えて間違いはないかと思います。

「年数は2年半を越えているけれど、充電は数回しか行なっていない。それでもバッテリーを交換しなければいけない?」なんて質問も上がりそうですが、バッテリーは消耗品であり使用環境の違いによっても劣化進行速度は様々なので2年を超えたら、一度専門のショップに点検してもらうのが良いでしょう。

電動アシスト自転車のバッテリーを充電するときに気を付けたい事

まず、まだ充分に充電が残っている状態でさらに充電するのはなるべく避けましょう。リチウムイオン電池であるならば、過剰なまでの繰り返し充電を行なわなければ問題はないと思いますが、充電の回数も寿命を早める要因になります。

さらに、深放電というバッテリー残量がゼロの状態のままにしてしまうこともNGです。目安として表示されるバッテリー残量が10%まで達したタイミングで満タンまで充電するようにしてください。

高温での保管や充電も寿命を早めます。保管や充電を行なう場合は、周辺温度が0℃から40℃までの場所であること。真夏の炎天下で駐輪する場合には、一時的であってもバッテリーを外しておくことをオススメします。

また、上り坂や重い荷物を積載して長時間走行をした場合には、使用後に冷暗所などの涼しい場所でバッテリーの温度を下げてあげるようにしましょう。寒い地域などは、氷点下で使用するとアシスト不足を感じることもあるかもしれません。そのような場合には可能な限り使用を控えて、室温での保管をオススメします。

子どもの送迎、坂道の通勤、荷物が重い買い物など、電動アシスト自転車はとても便利です。正しく使用して、安全で快適な交通手段として活用していきましょう。

<構成/青山ネムリ>

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