秦野市の中学校給食センター、12月に着工 食材は地元産

「(仮称)秦野市学校給食センター」の完成イメージ図(市提供)

 秦野市は、2021年12月からの市立中学校の完全給食開始に向け、今年12月から共同調理場の建設に着工する、と明らかにした。給食の食材は地元産を使用。冷めないようコンテナなどに入れ、最長でも30分以内に各校に配送する。また災害時でも活用できる備品にし、地産地消と防災の両立を図る。

 10日に行われた定例会見で、共同調理場を整備・運営する「ハーベストネクストグループ」からの事業提案の内容を公表した。

 「(仮称)市学校給食センター」は、市中心部にある旧水道局庁舎跡地(同市曽屋)に建設する。鉄骨造2階建てで、延べ床面積は2477平方メートル。アレルギー対応の食調理室や、保護者らが調理の様子を見学するための通路なども設ける。

 食材にはコマツナ、ダイコン、小麦など地元産を使用する予定。温度を保つためにご飯やおかず、あえ物を食缶とコンテナに入れ、トラックで5分から30分以内に各校に配送する。

 近年頻発する自然災害にも対応。災害時に、外で炊き出しできる車輪付きの煮炊き釜、停電が起きても使用できる受水槽を用意する。

 また少子高齢化や地域活性化も意識し、お年寄りや、市内で開かれる文化やスポーツイベントの会場に弁当を配送するサービスも提供したい考えだ。

 市教育委員会学校教育課は完全給食実施の課題として、学校での配膳時間の確保などを挙げた上で「生徒が喜ぶ温かい学校給食を目指したい」としている。市は、公民連携(PPP)方式で共同調理場を整備する事業者を募集。学識経験者や、保護者らが務める選定委員が、同グループに決めた。

 同グループは、学校給食業務委託運営などを手掛ける「ハーベストネクスト」(横浜市)を代表に、建設会社など5社で構成。センターの建設費として、17億~18億円を提案している。

© 株式会社神奈川新聞社