米中、「第1段階」の合意に署名 貿易戦争の改善目指す

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アメリカと中国は15日、貿易戦争の緊張緩和を目的とした合意文書に署名した。両国の対立は市場を揺るがし、世界経済に影響を及ぼしてきた。

ドナルド・トランプ米大統領は、今回の合意を「第1段階」と位置づけ、アメリカ経済に「変革を起こす」だろうと述べた。

一方、中国の指導部も「ウィンウィン(双方によい)」と評価。両国の関係改善につながるとの見方を示した。

米製品の輸入を増やす

合意では、中国はアメリカからの輸入を2017年の水準より2000億ドル増やすと約束。内訳は農産品320億ドル、工業製品780億ドル、エネルギー関連520億ドル、サービス関連380億ドルとなった。

また、知的財産に関する規制強化と、貿易に絡んで秘密を盗まれた企業が中国で法的措置を取りやすくすることも誓った。

これに対しアメリカは、中国からの輸入製品に課した新たな関税の一部を半減することに合意した。

だが、関税の大半は維持される。アメリカは推定3600億ドル相当の中国製品に最高25%の関税をかけ続ける。一方の中国も、1000億ドル相当の米国製品にかけた新たな関税のほとんどを残すとみられる。

第2段階を求める声

関税の多くが維持されることを受け、経済界からはさらなる協議を求める声が出ている。

米商工会議所の中国部門トップ、ジェレミー・ウォーターマン氏は、「まだ取り組むべきことがたくさんある」、「関係者はきょうは喜びに浸っていいが、近いうちに第2段階に向けた話し合いをすべきだ」とコメントした。

米中両国は2018年以降、関税のかけ合いを続けてきた。その結果、4500億ドル超相当の輸入品に新たに税金がかけられている。

現在も続く両国の対立は、交易を妨げ、世界経済の成長の足を引っ張り、投資家の懸念を招いている。

「休戦に近い」

ホワイトハウスの署名式でトランプ氏は、「過去の間違いを共に正しており、将来の経済に公正と安全をもたらす」と述べた。

一方、中国の劉鶴副首相は、今回の合意は「平等と相互尊重」が基礎にあると説明。「中国は政治制度と、国の現状に適した経済発展モデルを作り出した」、「だからといって中国とアメリカは協力できないわけではない」と述べ、自国の経済システムを擁護した。

BBCのダーシニ・デイヴィッド経済担当編集委員は今回の合意について、関税の一部しか廃止されず、米中の相互の譲歩もわずかだと指摘。

「米大統領が出席するなど異例の署名式で大々的に打ち上げたが、勝利より休戦に近い」と評した。

(英語記事 US and China sign deal to ease trade war